インターネットばかりが進化するわけではない。インターネット上の「不穏な」情報を監視する技法も進んでいく。消費者が各種コンテンツを直接生産し流通し消費するウェブ2.0時代の発展に伴い、独裁国のインターネット監視も進化し、「抑圧(repression)2.0」の時代が到来したと、米ニュース週刊誌「ニューズウィーク」最新号が報道した。
▲「検閲」を超えて「介入」へ〓ポータルと検索で代表されるウェブ1.0時代にはコンテンツ提供者が情報を独占し、ヌリクン(ネチズンの韓国語)は情報を消費するだけだった。監視の方法も簡単だった。「不穏」サイトへの接続を遮断し、いくつかのキーワードを統制するだけでOKだった。
しかし、使用者製作コンテンツ(UCC)とオンラインコミュニティで代表されるウェブ2.0時代に入ってから、コンテンツを一々検閲するのは事実上不可能になった。このため、独裁国が考え出した新しい監視方法は直接姿を現して、ヌリクンに脅しをかけることだ。
「警警」と「察察」という中国公安のアバター(仮想人物)は、インターネット画面にいきなり現れ、「健全なオンライン環境のため、法規を遵守しましょう」という警告を発する。
最近、中国政府は大掛かりな流血事態が発生したチベット(中国名・西蔵)の中心都市である拉薩の携帯電話使用者に、「法律を遵守しろ」という大量のメールを発送した。「いつも見張っている」と脅して反政府デモに参加しようとする人たちを躊躇させた。
▲恐怖の拡散を狙った21世紀型の「パンオプティコン」〓政府が実際にインターネットを監視できるかどうかは重要でない。ただヌリクンに「いつどこででも監視されている」という感じさえ与えればいいのだ。情報の拡散同様、恐怖の拡散も早いからだ。
「無作為遮断」の技法も効果を奏している。ある日突然、電子メールの受信が駄目だったり検索サイトへの接続が遮断される。実は、無作為で取り出された一部の勘定をしばらく遮断するのだが、使用者側では検閲にかかったのか偶然なのか判断が付かない。
時には親政府の宣伝物を流布し、反体制人物を悪意的に攻撃する。ムバーラク・エジプト大統領を批判してきたブロガーのワエル・アバス氏は最近、「宗教を3回も変えた」「同性愛者だ」というヌリクンの非難に苦しめられた。彼は、「保守的なエジプト社会では致命的な非難だ。心証はあるが、物証がない」と醜聞の暴露者として政府を挙げている。
独裁国は「抑圧3.0時代」を準備している。数多くのインターネット使用者の行動パターンを分析して未来の危険分子を抽出する、いわゆる「データーマイニング(data mining)技法だ。同誌は、「米国で2001年9・11テロ以後試みたものの、プライベート侵害の議論で諦めた方法だ」とし、「独裁国の次世代監視技法として登場する可能性が高い」と分析した。
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