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[オピニオン]二つの都市の物語

Posted April. 09, 2008 07:06,   

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ニューヨークタイムズのコラムニスト、トーマス・フリードマンは彼の著書、『フラット化する世界』の中で、グローバル化の歴史を3つの時期に分けている。コロンブスが大西洋を横断して新世界を発見した1492年から1800年前後までが第1期なら、第2期は、産業革命がおきた1800年代から初期のインターネットが出現した2000年までだ。初期のグローバル経済を誕生させた2000年までは地球は丸かった。中国が01年、世界貿易機関(WTO)に加盟し、世界の労働人口は30億人へと急増し、情報通信が飛躍的に発展したグローバル化の第3期に進入した。世界の全ての知的財産が一つのネットワークへと統合され、地球が「フラット化」した。

◆グローバル化の中の個人の人生も瞬く間に天国と地獄とを行き来する。ニューヨークタイムズが報じた米ミシガン州ホーランドやグリーンビルの住民たちの行き違った運命が代表的だ。ホーランドにはドイツ多国籍企業のジーメンスが4年前に進出し、雇用は2倍へと増えた。グリーンビルはスウェーデンの多国籍企業、「エレクトロルックス」が突然立ち退いたため、住民8000人中2700人が失業を余儀なくされた。

◆かつてはその反対だった。ホーランドの住民たちは1990年代、「ITバブル」がはじけ、数千人が失業者へと転落した。グリーンビルの住民たちは30年余り前、エレクトロルックスの工場が建設されると、「これからは死ぬまで雇用への心配は要らなくなった」と安心して暮らしていた。2年前、工場が閉鎖されてからは全てが変わった。立ち退く企業に賃金削減や破格的な減税まで示したが、グリーンビルの人々はとなりのメキシコの労働者との人件費の競争で負けた。

◆グリーンビル住民たちの人生のように、グローバル化にも陰はある。しかし、グローバル化は00年以降、全世界の一人あたりの国内総生産を年平均3.2%ずつ伸ばした最大の主役だ。英経済週刊誌のエコノミストは「21世紀の最初の10年間の経済成長は、人類歴史上もっとも早い」と報じた。米外交専門誌の、「フォーリンポリシー」と、経営コンサルティンググループのエ一ティカニーが00年開発した世界化指数によれば、グローバル経済に統合された国は、そうでない国より30〜50%さらに成長を遂げた。昨年、韓国のグローバル指数は前の年に比べて6段階下がった35位だった。二つの都市の物語は、もはや他人事ではない。

許文明(ホ・ムンミョン)論説委員angelhuh@donga.com