全国教職員労働組合(全教組)のチョン・ジンファ委員長は、きのう、金道然(キム・ドヨン)教育科学部長官との初顔合わせで、李明博(イ・ミョンバク)政府の小中高校自律化推進計画について、「学校現場の序列化と過度な競争を招きかねない」と主張した。一昨日、教育部が「奨学指導」の名のもとに設けた29の規制項目を廃止し、市道教育庁と学校の自律に任せると発表すると、全教組は「学校の学習塾化」と「待った」をかけた。
学校をがんじがらめにしている規制を廃止するのは、教育の自律化と学歴水準向上のために望ましい方向だ。前政権は全教組のコード平準化にとらわれ、学校の格差にそっぽを向く入試制度を押し付け、学力競争を難しくする規制で学校をしばり上げた。先へ進んでいる学校の前進を止め、遅れた学校に歩調を合わせろという方針の教育政策は、次世代の競争力を落とす結果を招く。統制と指示中心の学校が、競争と自律の雰囲気に変われば、学校間で生徒の実力をアップさせるための競争が繰り広げられ、全般的な教育水準の向上につながる可能性が高い。「学校の学習塾化」ではなく、学習熱を私的教育から公教育へ吸収する効果も期待できる。
学校は、朝の0限授業、夜間自律学習、放課後授業の委託運営、成績による優劣組の編成に対する幅広い自律権を持つことになった。校長は、このような権限を適切に活用して、企業の最高経営者(CEO)のように、学校に大きな変化の波を起こすことができる。ソウルの場合、10年から「先志願、後推薦制」が施行され、父兄が高校を選択できる時代が切り開かれる。昨年制定された教育情報公開法にのっとり、すべての学校は生徒の学業成就度等の学校情報を公開しなければならない。父兄と生徒は公開された情報をベースに、優秀な学校を選択して進学することは確実で、校長や教員は毎年、教育需要者から評価を受けることになるわけだ。
今回の措置で、学校が人格教育も、友だち同士の友情もない無慈悲な入試競争に追い込まれるのではという一部の憂慮は、誇張だと考える。ただし、自律化も学校の実情に合わせて、教員と父兄のコンセンサスが成り立った上で進められてこそ、副作用を防ぐことになるだろう。
教育が自律化すれば、出遅れる学校が生じるのは必至だ。政府の役割は、このような遅れをとった学校に対して予算と人事による支援を拡大し、学歴格差の縮小に努めることに集中されるべきである。