李明博(イ・ミョンバク)大統領は一昨日、米紙ワシントンポストとの会見で、北朝鮮に南北連絡事務所の設置を提案した。外交関係樹立の前の段階として活用される連絡事務所を南北双方に設置し、常時の高官級対話チャンネルを構築しようというものだ。李大統領は南北の最高責任者の言葉を直接伝えることのできる人物が、連絡事務所長を務めるべきだという具体策まで提示している。
李大統領はこれに先だって、CNN放送との会見でも、金正日(キム・ジョンイル)総書記がCNNをよく視聴していると聞いているとして、「金総書記に韓半島の真の平和と反映に向けて一緒に頑張ろうと訴えたい」と述べた。首脳同士の対話再開の意思が金総書記に伝わることを望む李大統領の気持ちが読み取れる。李大統領は南北関係に大きく影響する訪米を契機に、北朝鮮に新しい機会を提供しているわけだ。
北朝鮮に対する米国内の空気も肯定的に変わっている。ライス国務長官は17日、北朝鮮の核プログラムに対する検証が終わる前でも、対北朝鮮制裁の一部を解除することもあり得ると明らかにした。ホワイトハウスの関係者も北朝鮮の核拡散活動は、プルトニウムプログラムと違う方式で取り扱われるべきだとし、柔軟な対応を予告した。米国も先週のシンガポールでの米朝合意以降、北朝鮮の核の廃棄の約束の移行を助けるため、先導的に動き始めたわけだ。
北朝鮮は、この機会を逃してはならない。韓米が口を揃えて北朝鮮の核問題の解決と同時に、北朝鮮の経済難の解消や国際社会への仲間入りを支援すると乗り出した時、それに応じるべきである。北朝鮮が願ってやまないテロ支援国リストからの削除も目の前に来ているのではないか。意図的な緊張の造成や「米国寄りの保守勢力の対決策動」云々する常套的な攻勢で、南南葛藤や韓米関係の悪化を狙う戦略はもう通じない。今、北朝鮮に問われるのは、韓米両国の変化を読み取る能力だ。
南北対話は、北朝鮮が気を直せばいつでも再開できる。連絡事務所の開設は北朝鮮が拒否し続けてきた事案であるだけに、今すぐ受け入れるのは困難であるかも知れない。しかし、対話と問題解決を望む韓米両国の誠意まで断るとしたら、後悔するのは他ならぬ北朝鮮である。北朝鮮も実用主義へ転じるのが賢い選択であるはずだ。