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[オピニオン]弁護士1万人時代

Posted May. 01, 2008 07:19,   

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米国は「弁護士の国」と言っても過言ではない。弁護士の資格者がすでに100万人を超え、弁護士のいない家がないほどだ。米大統領直属の競争力委員会(PCC)の報告書によると、そのうち、75万人が実際に弁護士活動をしている。人口10万人当たりの弁護士数を見ても米国は281人でドイツ111人、英国82人などを抜いて断然トップだ。上・下院議員、上級公務員、企業経営者、コラムニストなど著名人らの半分以上が弁護士資格を持っている。

◆米国は多人種国家で社会秩序の維持のため、厳格な法治が必要だったのだろう。運転兔許試験にも「どうしてスピートの出しすぎはだめか」という問題が出れば「交通事故の危険が高いから」ではなく、「それが法だから」が正解になる国だ。隣の家の犬がうるさいとして、また学校で給食をまともに与えないとして一々法を動員する。芸能人たちの損害賠償訴訟も多い。在米同胞たちも「スー(sue=訴訟を起こすという意味)をする」という言葉をよく口にするほどだから弁護士の需要が多い。

◆我が国も4月に弁護士数が1万人を超えた。大韓帝国時代1906年、3人を初めて排出し、102年ぶりだ。1970年代だけでも1年に数十人程度だった司法試験合格者が1980年代に入り、300人に跳ね上がり、その後、毎年1000人時代に入り、急増しはじめた。全体の弁護士数は1981年わずか1000人から2002年に5000人に増えており、また6年ぶりに1万人時代を迎えた。2012年からロースクールが毎年2000人ずつを排出するなると、2015年には2万人時代を迎えることになる。

◆弁護士の数が増えればそれほど少ない費用で質の高いサービスを受け、もっと容易に弁護士に会えると考えがちだ。だが、果してそうなるだろうか。否定的な見方も少なくない。ロースクール出身者の量産が弁護士の平均的な水準を大きく落とし、事故現場と応急室などを回りながら訴訟をけしかける「アンビュランス弁護士」が増え、訴訟乱発などの弊害が生じるはずだ、弁護士がソウルなど大都市にだけ集中し、無弁村(1人の弁護士も常駐していないこと)問題は依然として残るなどの憂慮が出る。弁護士1万人時代がただ嬉しくはない理由だ。

陸貞洙(ユク・ジョンス)論説委員 sooya@donga.com