米航空宇宙局(NASA)が7日に公開したミャンマーの衛星写真は衝撃的だ。サイクロンが通過する前の4月末の写真には、確かに写っていた濃い青色の陸地と川が、サイクロンが強打した後、廃墟と化してしまった。ミャンマー軍事政府は、6万3000人が死亡または行方不明だと集計したが、ミャンマー駐在の米国代理大使シャリ・ビラロサ氏は、死亡者数が10万人を上回ると語った。04年に20万人が死亡した東南アジアの津波以来の最大の被害だ。
◆国連をはじめとする国際社会が救護の手を差し伸べているが、独裁政治で悪名高いミャンマー軍部集団は、快く受け入れることができない。災害救護チームにまで選別的にビザを発給するため、国際赤十字などの国際機関の救護要員の多くが入国できない。救護活動のために派遣された米海軍艦隊も、入港許可を得ることができず、タイの海域で待機している。ミャンマー政権が、救護要員や物資を受け入れられないのは、独裁の実情が明らかになり、体制に影響を及ぼすのではないかと恐れているためだ。
◆ミャンマー軍政は、北朝鮮とともに世界で最も野蛮な政権に挙げられる。88年、クーデターで政権を獲得した軍部勢力は、国名をビルマからミャンマーに変え、20年以上、外部世界と断絶したまま、鉄拳統治を行なっている。ミャンマー軍政が行なった数々の奇怪なことの代表的なものとして、首都の移転を挙げることができる。軍政は06年、政府機関全体を首都だったヤンゴンから北方320キロ離れたジャングルの中のピンマナに移した。首都移転は、公職者の家族同伴の移住が禁止されるほど、秘密裏に進められた。
◆ミャンマー軍政が、首都をジャングルに移した理由は、欧米世界、特に米国が攻撃することを恐れたためだと専門家たちは分析している。そのため、米国の救護艦隊の派遣も有り難いと思わない。いつ銃口を自分たちに向けられるかわからないという恐怖心は、自分たちが犯してきた悪事の反作用だろう。正統性のない政権が体制を維持するために、国民の目と耳を塞ぎ、口にくつわをはめることが、いつまで可能か。悲惨な災害を被っても、邪悪な政府のために緊急救護品すら受け取ることのできないミャンマーの国民がいたわしい。北朝鮮の住民たちの境遇も、これと別段変わりないだろう。
鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com