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コメ価格、1ヵ月で2.5倍に上昇 北朝鮮で餓死発生の恐れ

コメ価格、1ヵ月で2.5倍に上昇 北朝鮮で餓死発生の恐れ

Posted May. 10, 2008 03:01,   

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北朝鮮の民間市場での食糧価格が恐ろしいペースで跳ね上がっている。今月に入り、やや勢いが衰えてはいるものの、高騰する北朝鮮の食糧価格は北朝鮮で再度の大量餓死が発生する可能性の前兆だという警告の声も高くなっている。

北朝鮮支援団体である「グッドネーバーズ」の理事長を務める法輪和尚は8日、米ワシントンで記者会見を行い、5月と6月だけで20万〜30万の餓死者が発生する恐れがあるとし、国際社会の緊急な食糧支援が必要だと主張した。しかし、この主張は大げさだという反論も少なくない。08年春、北朝鮮国内はどのような状況になっているか、北朝鮮消息筋から話を聞いてみた。

▲高騰するコメ価格〓消息筋によると、先月末、北朝鮮の咸興(ハムフン)と元山(ウォンサン)など一部地域でコメ価格は3100ウォン、トウモロコシ価格は1500ウォンに急上昇した。1ヵ月前の3月20日頃、同地域でコメは1200ウォン、トウモロコシは600ウォン前後だったが、わずか1ヵ月で穀物価格が2.5倍も跳ね上がった。これはここ1年間で約2〜3倍上昇した国際市場の穀物価格の上昇率を大幅に上回るものだ。

6日、東亜(トンア)日報と通話した北朝鮮消息筋は、「4月初頭からコメ価格が高騰したが、政府がコメ価格引き上げを厳しく取り締まった上、最近には海外からの支援が行われるといううわさまで流れており、現在コメは1キロあたり2200〜2300ウォン、トウモロコシは1200〜1300ウォン台で取引されている」と述べた。

北朝鮮でコメ価格が急上昇しているのは、核実験以降、韓国からの食糧支援がほとんど途絶えた上、昨年の大洪水で北朝鮮内での食糧生産量も急減したためと分析される。

▲家計への影響は〓コメ価格の上昇は、北朝鮮住民の生計を脅かす要因となっている。北朝鮮の住民にとって主な栄養源は主食であるため、世帯あたり食糧消費量は非常に高い。4人家族の場合、最小で月60キロの食糧を消費する。1年では720キロが必要だ。

トウモロコシ1キロの価格を現在の1200ウォンで計算すれば、1年間トウモロコシばかり食べるとしても、北朝鮮の通貨で86万4000ウォンが必要になる。5月初めの北朝鮮ウォンの対ドルレート(1ドル3500ウォン)で計算すると約247万ドルだ。これに燃料や副食物、必需品などの費用を入れると、4人家族の1年間の最低生活費は400〜500ドルになる。

北朝鮮の国民所得を正確に推算するのは容易ではない。ただ、李在禎(イ・ジェジョン)前統一部長官は3月、「統一部が専門家に調査を依頼した結果、05年の北朝鮮の1人当たり国民総所得(GNI)は368〜389ドルだった」と述べた。

この資料に基づけば、北朝鮮の4人家族の合計GNIは1500ドル前後になるので、生活に大きな支障はない。しかし、世界のほとんどの国で4人家族世帯の世帯合計所得が国民1人当たりGNIの平均をも下回る世帯の割合が二ケタ以上であることを考えると、北朝鮮でも相当の数の住民が餓死の脅威にさらされていると分析することもできる。

▲餓死者発生の真実は〓「グッドネーバーズ」は6日発行した冊子で「黄海道(ファンヘド)の一部農村では、子どもと高齢者を中心に餓死者が出ている」と伝えた。また、論評で「餓死の嵐が北上する前に韓国政府が早急な支援などを行うべきだ」と主張した。

一方、徐載鎭(ソ・ジェジン)統一研究院北朝鮮研究室長、董龍昇(トン・ヨンスン)三星(サムスン)経済研究所経済安保チーム長など、一部の北朝鮮専門家は、「北朝鮮は市場による受給構造が整ったため、いまや大量の餓死者が出る可能性は高くない」と主張している。

董チーム長は、「1990年代半ばに大量の餓死者が発生したのは、市場メカニズムが整っていない状態で国の供給能力が崩壊したためで、今とは状況が異なる」と分析した。

これに対し、北朝鮮の内部事情に詳しい消息筋は、「現在市場での取引ができる人は耐えられるだろうが、食糧価格が上昇し続ければ、来年の春頃には大量の餓死者が出る可能性が高い」と見込んだ。

この消息筋はさらに「食糧価格の上昇で家計の支出が収入を上回っても、家具や家電、家を売ってでも来年の春までは食いつなぐことはできると思われる」としながらも「保育院の児童や高齢者、病院の患者など、経済活動をしていない階層はすでに餓死の危機に直面している。次の犠牲者は市場活動に積極的でなく、家を売ろうとしても買い手がない農民だ」と話した。



zsh75@donga.com