▲オバマを勝利に導いた若い世代〓バラク・オバマ上院議員に、民主党の大統領選に向けた候補指名争いでの事実上の勝利を確定付けた最も大きな原動力は、若い層の熱烈な支持だった。今回の予備選挙で30代以下の投票参加者は過去の2倍、一部の地域では3倍に上った。
オバマ議員が圧勝を収めたジョージア州の平均年齢は28歳だった。反面、ヒラリー議員が勝利したペンシルバニア州は平均年齢が40歳だった。世代間で支持層が分かれる現象は、黒人を除いた全ての人種で現れた。
2月中旬、オバマ議員の遊説先で出会ったヒスパニック系の大学院生、エミリー・トムスン氏は、「両親は『クリントン家はヒスパニックの友達』と言っているが、私はフェイスブック(インターネットで友だちを作るサイト)でオバマ支持の集まりに加入し、インターネット寄付金も納めた」と話した。
オバマ議員も早くから若者層を結集し、引き出す戦略に集中した。昨年、出馬演説の際、同氏は「世代」という言葉を13回も使いながら世代交代を強調した。また、演説の度に短文を切って、関係代名詞でつないでいく話し方で若者と呼吸を合わせた。
▲ベビーブーム世代とY世代の対決〓通常、米国の成人を△戦争世代(1945年以前生まれ)△ベビーブーム世代(1945〜60年)△X世代(1961〜77年)△Y世代(1978〜94年生まれ)に分類する。今回の予備選挙はベビーブーム世代と以後の世代間の対決だったことになる。
勿論、民主党内で新旧世代の対決は今回が初めてでない。ブルーキンス研究所のウィリアム・ガールストン先任研究員は、12日、本紙とのインタビューで、「1983年、ゲイリー・ハート候補が『ニューアイディア』を打ち出した時、老年層が多いウォルター・モンデール候補の支持者らと世代間対決の様相が見られた前例がある」と説明した。
それにも関わらず、今回ほどたくさんの若者が熱情的に政治に参加した前例はなかった。フランクリン・アンド・マーシャル大政治研究所のテリー・マドンナ所長は、「若者層はこの40年間、ロナルド・レーガン時代を除いて、ほとんどが民主党支持の傾向を示していたが、黒人や女性の候補が今ほど当選の可能性が高かった時代はなかった」とし、「米国の歴史に『新しい幕』が切り開かれている」と述べた。
▲世代間対決の社会学〓大勢の若者が予備選挙に参加したことについて、専門家らは「進歩と保守を区分して批判するのが難しいほど、全体の既成世代に不満を感じている現実」を一番大きな原因に挙げる。
むろん最大の原因はブッシュ政権の失政が提供した。特に、イラク戦争の失敗が「変わらねば」というニーズを強く呼び起こした。若者層には既成政界全体が入れ替えの対象と認識され、ヒラリー議員さえ入れ替えの対象の古い世代に思われたわけだ。
2月、オバマ議員の遊説先で会ったアンサニー・ルイス氏(メリーランド大4年生)は、「既成世代が米国を世界超大国に育て、維持してきた業績は尊重する」とし、「オバマ議員が分裂ではなく統合を主張しているのが気に入った」と話した。
一方、S大学のある教授は、「ブラッドレイ効果」を挙げて説明した。ブラッドレイ効果とは、1982年、カリフォルニア州知事選挙当時、黒人のトーマス・ブラッドレイ候補が世論調査ではリードしたものの、本番の投票では負けたことに由来する言葉だ。
人種問題の敏感性のため匿名を要請したこの教授は、「民主党支持者の間で、年齢が高くなるほど人種的な要因のためオバマ議員支持者が減り、人種に対する先入観の少ない若者層ほどオバマ議員支持者が多かったと思う」と述べた。
▲選挙本番は世代間対決の様相濃厚〓マケイン候補とオバマ候補による本選対決は、「戦争世代対Y世代」の勝負だ。すると、ヒラリー議員を支持した中高年と老年層は本選ではどのような選択をするだろうか。ガールストン研究員は、「歴代どの選挙より候補者間の年齢差が大きい選挙だ。『民主党性向の新旧世代が一つになれるか』と言われたら、私はそうでないと答えたい」と述べた。
反面、マドンナ教授は、「世代間の激突の状況は、今回の選挙に限られた現象で終わる可能性が高い」とし、「民主党支持の有権者はそのまま民主党の支持者に残る可能性が高く、支持政党を変えることはないと思う」と話した。
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