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[社説]ガソリン、1リットル当たり2000ウォン時代の「石油中毒」

[社説]ガソリン、1リットル当たり2000ウォン時代の「石油中毒」

Posted May. 23, 2008 03:48,   

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通勤途中の乗用車のほとんどは、ドライバー「一人のみ」だ。雨後の筍(たけのこ)のようにそびえている高層住商複合マンションは、冷暖房をはじめ「電気を食うカバ」に他ならない。ベランダにスペースがなく、洗濯を干す台を置くことができず、入居者たちはやむを得ず、乾燥機に洗濯物を入れて乾かさなければならない。一滴の石油も出ない国であるにも関わらず、石油消費7位、エネルギー消費10位が韓国の一面なのだ。

毎日のように値上がりする国際原油価格を見れば、「第3次オイルショック」と呼ぶに値する。一昨日、米ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)の価格が史上最高の1バレル当たり133.17ドルで取引を終えた。わが国の原油輸入量の80%を占める中東産ドバイ油も123.69ドルを記録した。昨年のこの時期の2倍を越えている。米国に端を発した景気低迷やドル安、中国とインドの高い需要、投機的な取引など、短期的な不安要素のみならず、石油枯渇の危機が反映されている。中東戦争などの供給問題が主な理由だった第1次や第2次のオイルショックとは質的に異なる局面だ。

ソウル江南(カンナム)の一部のガソリンスタンドのガソリン価格が1リットル当たり1987ウォンを記録した。「ガソリン2000ウォン時代」が迫っている。原油の輸入価格が上がれば、景気低迷や物価上昇などの副作用と負担は言うまでもなく、金融市場も不安になる。結局、経済全体が直撃される。

最近のような原油価格の高騰に即座に効く政策手段は余りない。エネルギー高効率・低消費型の経済産業構造を築かなければならないが、数十年もの間、口先だけで終わっている。国民一人一人がエネルギーの使用を減らし、エネルギー効率を高める努力に取り組まなければならないが、韓国社会は不思議なほど、原油高に鈍感だ。自然換気の代わりに強制換気方式を取り入れたマンションや、燃料消費効率の低い大型乗用車、深夜も電気のついている事務所のコンピューターなど、エネルギー浪費の現場はいたるところにある。このようなエネルギー消費は富裕層が主導するが、原油価格が値上がりすれば、庶民が一番先に、もっとも大きな苦痛を強いられる。

「国際原油価格が1バレル当たり200ドルになってからようやく全国民が緊張するだろう」という逆説的な主張すら出ている。韓国の石油中毒はそれだけ深刻だという意味だ。石油消費トップの米国でも、昨年、ブッシュ大統領が、「石油中毒から抜け出そう」と訴えた。ところが韓国ではこのような声すらほとんど聞こえない。

専門家らは今のようなエネルギー供給構造の「炭素時代」は、30年になれば終わるだろうと見込んでいる。その後は、水素時代であれ、再生エネルギー時代であれ、今とは異なるエネルギー供給体系へと変わるだろうと主張する。いきなり石油供給が切られる時代に備えるためには、いまからでも石油中毒から抜け出すため、国や社会的な努力が求められる。ちょっと遠いくらいのところは歩き、乗用車代わりに大衆交通手段を利用するなど、それぞれが自分の生活の中のエネルギー消費の構造調整を直ちに実施するべきだ。