4日にあった補欠・再選挙でハンナラ党が惨敗したことを受け、李明博(イ・ミョンバク)政権の人事刷新論に再び火が付いた。「組閣の顔ぶれをめぐるトラブル→公認候補選びをめぐる諸問題→米国産牛肉の再輸入交渉の議論→ろくそく集会の拡散→国政支持率の急落」につながり、疑問視されていた李明博政府の国政運営能力が、初の補欠・再選挙の惨敗で不合格であることが浮き彫りになったためだ。
●人事刷新論、視線集まる大統領府
これまで広範囲で取り上げられてきた人事刷新のターゲットが大統領府に絞られ、具体化している。国会人事聴聞会を経なければならない長官の交代よりは容易で、国政空白への懸念が相対的に少ない大統領府に対する人事刷新の方がに現実性があるという理由からだ。
政府与党のある高官は5日、「長官を交代する内閣改造に踏み切る場合、18代国会の院内構成が遅れている中で、国会人事聴聞会が遅延し、結局、新任長官の任命がさらに遅れて国政の空白が生じかねない」と述べ、「特に、新任長官に対する検証に多くの時間が費やされると思われ、もし検証の過程で再び別の議論を生む場合、政局はさらに混迷を深める恐れがある」と指摘した。
その反面、大統領府の場合、人事聴聞会の手続きなしに大統領の意思次第で自由に任命することができる。
●大統領府の責任が最も重い?
人事刷新の対象が大統領府に絞られているもう一つの理由は、未熟な国政運営に対する責任の所在を厳密に追及したとき、大統領府の責任が重かったということだ。李明博政権発足以来、大統領府が国政運営を主導してきたからだ。
柳佑益(リュ・ウイク)大統領室長をはじめ、各首席秘書官の能力の問題点が、政府と与党側から絶えず提起されているのもこうした見方と無関係ではない。
ハンナラ党も内閣改造よりは大統領府の人事刷新に重きを置いている。特に、李明博派が政権発足と共に、大統領府と党に分かれ、党内の李大統領に近い勢力が大統領府の人事刷新を強力に要求している。
最近、党内の初当選や2期目の李明博派議員らがソウル市内の某所で一堂に会し、「散々苦労してつかんだ政権なのに、こんな羽目に遭うなんて。結局、大統領府の人選が問題だった。一部の人物がアマチュアを連れてきて、大統領府の人事をやったせいで、このような状況になった」と、大統領府に狙いを定めた発言を行ったのも同じ流れからだ。
●さらに固く扉を閉ざす大統領府
大統領府の関係者らは扉を固く閉じている。大統領府の主要関係者は、「まだ大統領府の人事刷新について聞かされていることはない。李大統領は簡単に人を変えたりするスタイルでもないし…」と言葉を濁した。一部の首席室は、「もしかして」という懸念のため、神経を尖らせている。
実際、大統領府の内部では柳室長をはじめ、一部の首席秘書官らに対する交代の可能性は取り上げられていないと、大統領府の関係者らは伝えている。しかし、大統領府の周辺では早くから後任者まで取りざたされるなど、各種シナリオが飛び交っている。まな板に乗せられたポストは、経済首席・政務首席・民情首席・外交安保首席などだ。ここに空席になっている社会政策首席まで含めると、7人の首席秘書官のうち、少なくとも5人以上が交代対象になるわけだ。
党側では、大統領府入りの可能性が高い人物として、鄭斗彦(チョン・ドゥオン)議員をはじめ、孟亨奎(メン・ヒョンギュ)・朴亨逷(パク・ヒョンジュン)元議員らを上げている。李大統領の心中をよく把握している上、政治的な感覚が長けているため、混迷を増している政局を沈静化できると期待されているからだ。
首席秘書官同士でポストを替えるシナリオも出ている。郭承俊(クァク・スンジュン)国政企画首席が経済首席へ、朴宰完(パク・ジェワン)政務首席が国政企画首席か社会政策首席へポストを移す案が、アイデアのレベルで取りざたされている。
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