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[オピニオン]原子力ルネサンス

Posted June. 07, 2008 08:40,   

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1960年代は原子力の黄金期だった。1956年英国で世界に先駆けてコールダー・ホール(Calder Hall)原子力発電所が商業運転を開始し、翌年米国のペンシルベニアのシッピングポート(shipping Port)原子力発電所が稼動し、原子力は人類の希望として位置づけられた。冷戦時代には、米国と旧ソ連が原子力の平和的利用分野でも火花を散らしていた。ところが、1979年、米国のスリーマイル島で、1989年にソ連のチェルノブイリで原発事故が発生したことから、原子力は下火になった。世界はもはや原子力の低迷期に入ったのだ。

◆歴史は繰り返されるものだ。「悪魔の贈り物」と決め付けられ、冷遇されてきた原子力の価値が見直されている。原油高と気候変動のためだ。太陽力や風力など、代替でネルギーの開発スピードは遅すぎる上、使い足りないエネルギーに慣れ親しんだライフスタイルもなかなか変えがたい。環境運動家からも、原子力への支持表明が相次いでいる。地球を一つの有機体として見た「ガイア理論」の創始者である英国のラブロック博士も、「グリーン・ロマンティシズム」から脱却し、原子力に目を向けるべきだと主張しているほどだ。

◆原子力発電所のルネサンスをもっとも歓迎する国は、1980年代激しい反核運動にもかかわらず、原子力発電所の維持政策を貫いてきたフランスだ。59基の原発を持つフランスは、既存の原発を代替するため12年から毎年1基ずつ原発建設を進める一方、海外市場の開拓にも本腰を入れている。ニコラ・サルコジ大統領は直に中東と中国、アフリカを訪れ、原発の輸出契約を取り付けるために努めている。米国はスリーマイル島事故以降、新規の原発建設を中止してきたが、既存の原発を稼動し続けることにより原発の割合を高めている。次期政権で新規原発への認可が出るかどうか大きな関心が集まっている。

◆原子力の低迷を尻目に、着実に原発を建設してきた韓国は、原発のルネサンスを迎え、海外原発市場に進出できる足場を固めている。世界6位の原子力大国である韓国は、価格は安くて運営効率の高い韓国型原子炉を開発した実力をつけている。ところが、原発ビジネスでは、技術以上に外交力がものをいう。原子力3大国である米国、フランス、日本が原発市場参入の敷居を高めているほか、韓米原子力協定といった輸出制約要因も存在する。原発のルネサンスを向かえ、このようなハードルを乗り越えられる政府の外交力が問われる。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com