最大規模になると見られる10日のろうそく集会を控え、非暴力集会を強調する声が高まっている。
6・10民主抗争(1987年6月に全国で起きた民主化運動)21周年を記念する市民社会団体のイベントが同時に開かれる同日の集会で暴力事態が再燃しかねないと懸念されているためだ。
「狂牛病(牛海綿状脳症=BSE)の危険性のある米国産牛肉輸入に反対する国民対策会議」(国民対策会議)が10日、ソウル市役所前のソウル広場など、全国で主催する「100万ろうそく大行進」には、14万人あまりが参加するものと警察は推計している。
同じ場所で、最大で3万人あまりが参加するニューライト全国連合と国民行動本部が主催する集会も開かれる予定であるため、保守と改革勢力間の衝突が懸念されることから、市民たちはもちろん、集会の主催側も非暴力平和集会を訴えている。
8日に「平和集会アピール文」を発表した国民対策会議は「ろうそくを暴力と決め付け、国民とろうそくを切り離そうとしているのが他ならぬ政府と警察だ。警察が暴力を仕掛ける扇動に乗ってはいけない」と改めて強調した。
18万の会員を擁するインターネット・カフェ「李明博(イ・ミョンバク)弾劾闘争連帯」も9日「暴力デモに対する立場」を発表し、「警察が暴力を誘発するために、いくら暴言を浴びせたり、暴力を振るったとしても、われわれの乱暴な対応は決して正当化できない」と平和的なデモを求めている。
鉄パイプまで使う暴力集会に成り下がったろうそくデモにブレーキをかけるべきだという市民らの声も高まっている。
暴力的なろうそく集会を控えようという趣旨で2日に立ち上げられた「過激不法暴力デモ反対市民連帯(nodemo.wo.to)」には、一週間目である9日現在、1万1500人あまりが会員として加入している。
市民連帯側は「ろうそく集会であろうが、ろうそく文化祭であろうが、不法過激暴力デモには反対するという趣旨で集まった。過激にエスカレートしたデモと(暴力デモを)主動・扇動する不法団体に反対する」という方針を明らかにした。
ポータルサイトの「ダウム・アゴラ」にも、「ろうそく集会、非暴力に立ち戻りましょう」というネットユーザーの呼びかけがメイン画面に掲げられている。8日から始まったこの呼びかけには、すでに2000人あまりが署名済みだ。
ろうそくデモ隊も、暴力デモを予防する自助策作りに取り組んでいる。
関連のインターネット・カフェなどには、警察との衝突を防止するための「非暴力!非暴力!三歩後退!」の掛け声を叫ぶ運動、マスクをつけない運動、非暴力デモ・ガイドラインの配布などのアイデアが寄せられ、デモ隊からも良い反応を得ている。
一方、10日には、ろうそく集会以外にも市民社会団体の記念行事が相次いで行われる見通しだ。
まず、1987年の抗争当時、「民主憲法を勝ち取る国民運動本部」が立ち上げられたソウル明洞(ミョンドン)の香隣(ヒャンリン)教会では、午後12時に6・10民主抗争記念の打鐘式が行われる。
李韓烈(イ・ハンヨル=1986年の民主化運動で犠牲になった延世大生)烈士の21周期追悼企画団も、午後5時西大門区新村(ソテムング・シンチョン)の延世(ヨンセ)大学で「民主主義の具現、米国産牛肉の全面開放反対」を掲げた記者会見と追悼祭を行う。企画団所属の学生300人あまりは、延世大の正門からソウル広場まで李烈士の遺影写真を手に行進する国民葬儀を再現する計画だ。
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