17日、ソウルで開幕した「経済協力開発機構(OECD)の閣僚会議」では、「融合」や「創意」、「信頼」という核心テーマのうち、インターネットの信頼回復を最も急務の課題として取り上げた。
OECDは、世界の商業や社会的な交流においてのインターネットの役割はますます拡大しているものの、サイバー犯罪やプライバシーの侵害などで、インターネットの信頼性が大きな脅威にさらされていると見ている。
これを受け、OECDの閣僚会議では17日と18日の二日間、中身のある議論を経てまとめる「ソウル宣言文」に、オンラインでの身元の盗用や不適切な資料、プライバシーの侵害に対する各国政府の法律執行の調整など、インターネットへの信頼性向上のための実施対策を盛り込むものと思われる。
OECDの閣僚会議では、△未来の経済成果や社会福祉、△融合の恩恵、△創意性の増進、△信頼構築、△グローバルなインターネット経済の5つのラウンドテーブルの議論と共に、政府首席の代表会議を通じて意見を調整する予定だ。
●信頼の崩壊はインターネット経済の危険要素
崔時仲(チェ・シジュン)放送通信委員長は同日の開会式での挨拶で、「インターネットはこの10年間、OECD加盟国の国内総生産(GDP)成長の17.9%を占め、世界の経済成長をリードしている」と述べ、「インターネットの経済時代を安定的に支えるため、産業間の競争や投資の誘発、消費者の利益に対する新たな政策の方向付けを模索すべきだ」と語った。
崔委員長は、「国家間、地域間のデジタル機会の差別やハッキングなど、インターネット経済の未来を脅かす要因は、我々に警戒心を促している。インターネット経済の未来を支える柱である信頼確保のための対策について議論してほしい」と求めた。
国際電気通信連合(ITU)のハマドゥン・トゥーレ事務総長も、「インターネットが安全でない限り、私たちが求める恩恵を、インターネットから手にすることはできないだろう」と述べ、「ビジネスや公共機関、子供など、皆のためのインターネットの信頼構築に努力すべきだ」と話した。
同日の会議では、インターネットの信頼崩壊については、各国政府が力をあわせて対応すべきだという共感が広がった。一つの国が安全でなければ、他の国も危険に陥りかねないという懸念のためだ。
ビビアン・レディング欧州執行委員会情報社会メディア執行委員は、「エストニアが第3国からのハッキング攻撃を受け、グローバル・インターネットのアクセスができなくなり、国家経済に大きな被害を被ったことがある」と述べ、「国際社会がインターネットスペースの信頼に、共同での警戒心を持つべきだ」と強調した。
これに先立って16日に開かれた「利害関係者フォーラム」でも、OECDの民間経済諮問機構のBIACが、メンバー国の政府に、「インターネットの有害な環境に対応する刑事法の執行を強化してほしい」と促した。
●人類共通の発展対策を求めて
今回のソウルOECD閣僚会議では、インターネットを通じて、経済、社会的領域や公共政策部門を発展させる対策などが模索された。
アンヘル・グリアOECD事務総長は、「インターネットは電気のように、我々のすべてのものを変える普遍的な技術だ」と述べ、「インターネットが企業活動や社会交流と統合し、デジタル経済を創造している」と評した。
ケビン・マーティン米連邦通信委員会(FCC)委員長は開幕演説で、「私たち皆がアクセスできるインターネットを構築するため、事業者たちの競争を誘導するやり方でインターネットを拡大している」と述べた上で、「市場規制よりは競争を誘導するやり方で、これを実現するつもりだ」と紹介した。
崔泰源(チェ・テウォン)SKグループ会長も、「世界経済が持続可能な成長を遂げるためには、情報通信のインフラが相対的に遅れている国を、インターネット経済体制へと牽引するのが最初の課題だ」と述べ、「インターネットを基にした新たなグローバル経済環境の安定性や開放性を高めるため、国家間の協力体制が必要だ」と強調した。
崔会長は特に、「インターネットの副作用を適切にコントロールするためにも、国家間の協力体制の構築が求められる」と付け加えた。
このほか、渡辺捷昭トヨタ自動車社長は、「日本は情報技術(IT)を交通統制に活かし、人類共通の問題である地球温暖化などを解決しようとしている。このシステムをほかの国に紹介できることを願っている」と話した。
一方、国際インターネット・アドレス管理機構(ICANN)のポール・トゥメイ社長は、ドットコム(.com)などの英語のインターネット・アドレスの代わりに、「.会社」、「.韓国」などのハングルの最上位のドメインを、早ければ来年の初頭に導入できるだろうと明らかにした。この政策が導入されれば、「東亜(トンア)日報.韓国」などのハングルのインターネットのアドレスを使えるようになる。
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