韓国の3大全国紙の東亜(トンア)・朝鮮(チョソン)・中央(チュンアン)日報の広告主に対する嫌がらせや脅しのため、一時広告掲載を控えていた企業らが「広告主への脅し」に真っ向から対応する方針に転じている。
特にこのような変化は、企業首脳など最高経営責任者(CEO)が主導するケースが多く、注目を集めている。
23日、財界関係者によると、韓国の主要企業は最近、大手3紙への広告掲載をすでに再開したか、近いうちに再開する方針のもと、具体的な実行計画を立てているという。
ある主要グループの首脳は最近、広報担当の役員に「わが社の製品をより多く売るためには大手紙への広告掲載が不可欠ではないか。一部の攻撃に萎縮せずに計画通り広告を掲載するように」と指示した。
専門経営者出身のあるCEOは、「製品の販売も販売だが、今回の騒ぎをみて、ちょっとわずらわしいからといって市場経済を崩壊させかねない一部左翼の脅しに屈したら、国の行方が危うくなると思った。市場経済と企業の重要性に対する確固たる信念を持っている大手紙への広告掲載を増やす計画だ」と話した。
これにより、「広告主への脅迫」が始まって以来、一時期落ち込んでいた大手3紙の全般的な広告受注も通常水準に戻りつつある。大半の大手企業が「脅迫事態」以前の状態に戻っており、夏休みを前に旅行業界の広告掲載数増加も目立っている。
多くの企業のCEOは、広報担当の役職員に「外からかかってくる脅迫の電話やインターネット攻撃に動揺することなく、やるべきことをやってほしい」と指示を出した。
企業各社はこれとともに、「電話部隊」の攻勢にできるだけ落ち着いた応対をする一方、暴言などを浴びせたり、繰り返し電話をかけて業務を妨害する人に対しては、電話内容の録音及びインターネットのIPアドレス確保など、証拠の収集に努めている。
広告掲載を引き続き控えた場合、企業経営が厳しくなるという現実的な判断と、「広告主への脅迫」に対し、社会的に懸念の声が広がっていることも企業の「広告掲載の再開」に影響を与えた。
食飲料メーカーのある役員は、「今回の脅迫事態が長引いていることから、夏の商戦を前に企業の営業活動に大きな支障が出ることが予想されるため、これ以上広告掲載を停止するわけにはいかない状況である」と説明した。
インターネットを介し、企業に広告停止を要求するなど、集団的な脅しや暴言を浴びせる方法で企業活動を妨げる行為に対し、検察が捜査に乗り出したのも、企業の心理的負担を軽減している。
「広告主への脅迫」と関連し、大手紙に掲載されていた広告を一部の左翼傾向の中小新聞に掲載するよう迫る要求も、あまり成果を挙げることはできなかった。
消費財メーカーのある役員は、「広告効果の大きい新聞の代わりに効果の低い一部の左翼新聞に広告を掲載するよう求めるのは株主の利益を深刻に侵害する行為で、事実上の背任を強要するものだ。これまでも大手紙に広告を掲載してから予算に余裕があれば中小新聞にも広告を掲載してきた」と話した。
実際に多くの企業は大手紙への広告を停止していた間、中小新聞への広告も控えたため、新聞広告市場の落ち込みが際立っていた。
経済団体のある関係者は、「企業が脅迫に押され正常な営業及びマーケティング活動ができなくなると、ただでさえ冷え込んでいる国内需要がさらに減少する。そうなれば、国家経済はいうまでもなく、内需産業に携わっている国民の痛みがさらに深刻化するだろう」と述べた。