先月、就任1年を迎えたサルコジ仏大統領の支持率は32%だった。歴代フランス第5共和国大統領の中で、最下位の記録だった。しかし、サルコジ大統領は、改革をさらに拡大した。だが、今月に入り、大統領の支持率が40%前後まで上昇した。目の前のハードルを避けないフランス政府の改革に向けた歩みが、目を引いた理由だ。
●研究所や軍隊まで、止まることを知らない改革
公務員、公企業、学校や大学に続いて、研究所と軍隊も改革のまな板に乗せられた。最近、フランス最大の研究機関で、約3万人を雇用している国立科学研究所(CNRS)を8つのパートに分離する改革案が発表された。研究所の職員1000人あまりがCNRSの建物を占拠し、座り込みに突入した。
軍の兵力を5万人以上削減するという内容の国防白書もまとめられた。軍の将星らがル・フィガロに匿名の投稿をし、政府の改革を厳しく批判し、反対の立場を明確に示した。
サルコジ大統領就任後、簡単に改革のメスを入れられたケースはなかった。どの改革もストと反対デモがつきものだった。特に、改革の舵取りを行っている大統領が3ヵ月半で離婚、再婚したことで、国民の信頼が失われ、改革は暗礁に乗り上げるように見えた。
しかし、改革が腰砕けになることはなかった。大統領が信任を失うと、首相と長官らが前面に乗り出した。彼らは所信を持って、舵取りを行うことを恐れなかった。
●支持率低くても、後退を知らない長官ら
政府は、年金改革にも一層の拍車をかけた。2週間のストといったハードルはあったものの、昨年末37.5ヵ月だった特別年金の払い込み期間を一般年金と同じく40ヵ月に伸ばしたばかりだが、今年再び全ての年金の払い込み期間を40ヵ月から41ヵ月に伸ばす改革に着手した。
公共部門の構造調整にも後退はなかった。公務員と教師らは、引退者らの補充をしないやり方で、リストラをする穏健な改革政策にも不満を抱き、昨年から事あるごとにストを展開した。しかし、ダルコス教育相は「生徒がいなくて暇な教師が3万人にも達しているのに…」と、後退する考えがないことを明確に示した。
下院と上院のいずれもバカンスを7月末に遅らせ、憲法改正案をはじめ政府の改革法案を審議している。
●改革の成果、「暮らしの中に」
一部改革の成果は、実生活にも現れている。フランスでは日曜日に大型商店で買い物ができなかった。日曜日の営業が法律で禁じられていたからだ。土曜日には日曜日の分まで食べ物を用意し、日曜日に必ず必要なものは小売店で高値で買うしかなかった。しかし、今は大型商店が次々と営業をしている。
また、これまでは家を借りる際、保証金として2ヵ月分の家賃を払わなければならなかったが、今は1ヵ月分だけを払えば済む。
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