ろうそくデモによる情勢に乗じて、会社事業と影響力の拡大を積極的に図ってきたインターネット・ポータル業界第2位のダウム(www.daum.net)が、最近相次いで逆風で「風の前のろうそく」のようなピンチに追い込まれている。
インターネット業界は、これまで「行き過ぎ」とされてきたダウムのイメージが「サイバー上の不法行為の根拠地」と看做され急激に悪化し、会社収益にも相当のダメージがあるだろうという見方が強い。
放送通信審議委員会は1日、ダウムが違法性についての審議を求めた「広告主を脅迫する」掲示物80件のうち、58件に対して「違法行為」と判断し、ダウムに対する「削除措置の勧告」を決定した。
ダウムは、この決定を受け入れたが、このような不法的な掲示物を長期間放置してきたことの管理責任と、それに伴う民事上の損害賠償の責任を免れられなくなった。これまでポータル業界では、「ダウムが業界トップのネイバー(www.naver.com)に追いつこうと際どいことをやっている」と懸念と批判の声が絶えなかった。
しかし、ダウムは不法デモを主導する役割を担ってきた討論掲示板「アゴラ」による特需を、「今日も10万人がスタートページをダウムに変えました」などとマーケティングに積極的に活用してきた。
ネイバーの「ニュース編集放棄」宣言も、ダウムには大きな悪材料となった可能性は少なくない。多くの証券会社のアナリストたちは、「ネイバーの今回の決定は、ポータルに対する規制がもたらすリスクを最小化できるという点で肯定的だ」と評価している。「ポータルの言論権力」や「政治的な偏向性」を巡る議論などから解放され、各種の社会的責任を求める世論や政府規制による負担をある程度までは、軽くすることができるだろうと分析されている。
インターネットメディア協会も2日、声明を発表し「ネイバーが、トップページのニュース編集権をユーザー個々人に返す方針を決めたのに対して、ダウムはポータル編集権を悪用して暴力を扇動し、クリック数の確保だけに熱中している」と、ダウムを批判した。
この日、ダウムの株価は、取引き時間中に10%以上も急落し多少持ち直したが、結局終値は4.67%(3000ウォン)も値を下げた。半面、前日に「ニュースサービスの自主編集放棄」を宣言したネイバーを運営するNHNの株価は、0.16%(300ウォン)の下落に止まり対照的だった。
ダウムの株価暴落には、コンテンツ提供業者(CP)たちのダウムへのコンテンツ提供拒否の動きも影響を与えた。
ダウムは、ダウムを利用するユーザー間でも、議論の対象となっている。ダウムの掲示板「言論消費者主権国民キャンペーン」(旧・朝中東廃刊国民キャンペーン)は、掲示板トップページの上段に、「国民と通じる対話の窓、ダウムと一緒にしましょう」と書かれたバナーを新しく設置し、「ダウム支持」の動きを強めている。
しかし一部の過激なネットユーザーは、ダウムが放送通信審議委員会の決定を受け入れて、不法的な掲示物の削除に踏み切ったことに反発し、ダウム離れの動きを見せている。
あるインターネット専門家は、「ダウムの漢字表記が『多音』である理由は、『多様な声を受け入れる』という趣旨だったからだ。ところが、最近のダウムでは、反政府の暴力・過激デモ隊の声だけが聞こえるという話があるほどだった。それだけに、逆風も強いのではないだろうか」と話している。