決戦の日が明けた。北京五輪で2大会連続の総合順位10達成に挑む韓国の選手団は、開会式の翌日の9日から本格的なメダル獲得に乗り出す。国民的な関心が注がれている競泳の朴泰桓(パク・テファン、19=檀国大)をはじめ、射撃の金チャンミとチン・ジョンオ、柔道のチェ・ミンホと女子アーチェリーの選手らは、今週末、金メダルに挑戦する。
#9日
●競泳:初の金メダルに向けて始動
韓国競泳史上初の金メダルを目指す「マリン・ボーイ」朴泰桓は9日午後8時30分、ウォーター・キューブ・プールでメイン種目のクロール男子400メートルの予選に出場する。朴泰桓は予選5組のうち、3番目の組で競技する。
クロール400メートル世界ランキング1位のグラント・ハケット(豪州)は、最終組の5組4番レーンで、2位のラーセン・ジェンセン(米国)は4組4番レーンで泳ぐ。3位の朴泰桓は3組の4番レーンだ。
朴泰桓が予選で対戦する選手は、中国の希望のチャン・リンだ。チャン・リンは最近、技量が急成長した。予選成績の上位8人が決勝に勝ち進む。朴泰桓はチャン・リンとの予選勝負よりは全体3位内に入ることを目指している。そうしてこそ比較的に水勢の影響を少なく受ける中央のレインで決勝に臨むことができるからだ。予選で戦力の露出を恐れテンポを遅らせすぎると良いレインを指定してもらえず、だからと言って全力を尽くしすぎると、体力損失の懸念がある。
●射撃:大会初の金メダルはなるか
302の細部種目の中で一番先に優勝者が決まる種目は、射撃女子10メートルのエア・ライフルだ。北京射撃競技場で午前9時30分に試合を開始し、午前11時50分には優勝者が分かる。韓国では金チャンミ(企業銀行)と金ヨウル(華城市役所)が出場する。
中国のトゥリが強力な優勝候補だが、当日のコンディションが大きく影響する種目であるため、予断は禁物だ。1992年バルセロナ大会初競技として行われた女子10メートルエア・ライフルで世界を驚かせた初の金メダリストは韓国の女子高生、ヨ・ガプスンだった。
午後1時からは男子10メートルのエア・ライフルが始まる。チン・ジョンオ(KT)とイ・デミョン(韓国体育大学)が出場する。
●柔道:アテネの悔いを晴らす
射撃で金メダルを逃したら、午後7時から北京科学技術大学の室内体育館で行われる柔道男子60キロ級本選に出るチェ・ミンホ(韓国馬事会)に期待をかけてみるのも良い。
04年アテネ五輪で体重減量の失敗で惜しくも銅メダルに止まったチェ・ミンホは「心を鬼にしている」と言われるほど、4年間北京五輪の金メダルに向けて準備を進めてきた。今度は完璧に体重を調整した。8強で顔を合わせるものと予想される日本の平岡拓晃の壁を越えるかどうかがカギを握っている。
#10日
●競泳:朴泰桓、この瞬間を待ってきた
午前11時21分、ウォーター・キューブ・プールで男子400メートルの決勝戦が行われる。ノ・ミンサン監督は、4人が金メダル争いをすると予想している。今季1位の記録保有者のグラント・ハケット(豪州、3分43秒15)と2位のラーセン・ジェンセン(米国、3分43秒53)、3位朴泰桓(3分43秒59)、4位ピーター・バンダーケイ(米国、3分43秒73)。4人が0.6秒差の中に集まっているため、誰が優勝するか予想し難い。朴泰桓が最近上昇ムードで、技量が急成長した点などが優勝を占う理由だ。
●アーチェリー:絶対強者の位置を再確認
世界最強の韓国女子アーチェリー代表チームは、午前11時、北京五輪山林公園アーチェリー競技場で団体戦16強戦に臨む。決勝戦は午後6時25分。女子アーチェリーは団体戦が始まった1988年ソウル大会以来、04年のアテネ大会まで5回連続優勝を果たしている。
パク・ソンヒョン、チュ・ヒョンジョン、ユン・オクヒが出る韓国と金メダル争いを展開する国は、2回目のワールドカップで優勝した中国と昨年世界選手権2位の台湾が挙げられる。英国、米国、ポーランドはダークホース。
04年アテネ五輪アーチェリー女子団体戦、中国との決勝で最後の矢を10点の射的に命中させ金メダルを確定付けたパク・ソンヒョンは、五輪で2回連続の2連覇を狙っている。濃いサングラスをかけて集中力を高めているパク・ソンヒョンの硬い表情から、韓国選手団の決意が感じられる。
北京=特別取材チーム