政府は昨日、2030年をメドに原子力発電の割合を59%へ拡大し、石油・ガスの自主開発率(国内消費量で国内生産量が占める割合)を40%へ引き上げることを柱とする国家エネルギー基本計画を発表した。太陽光、風力のような新再生エネルギーを次世代の成長エンジンに育成し、06年で43%の石油依存度を33%まで減らすという野心的な内容も含まれた。
長い目で見て望ましい方向ではあるものの、施行過程の問題点も予想される。化石燃料の枯渇やエネルギー安保、強化された温室効果ガスへの規制などを考慮すると、原子力発電が現実的な代案であることは否め難い。しかし、原発の拡大には、新古里(シンゴリ)3・4号機水準の140万キロワット級の原発11基を新設せねばならない。これに既に稼動中の20基と、建設または準備中の8基を合わせると、原発は40基に上ることになる。原発事故の可能性や廃棄物処理の安全性などをめぐる不安が高まり、市民団体の反対運動が拡散する可能性が高い。エネルギー別の原価構造やエネルギー需給変化の見通しなどを公開し、原発問題に対する国民のコンセンサスを得なければならない。
石油、ガス自主開発率を高めるという計画も、ただ掛け声に止まってはならない。原油価格の急騰に一応ブレーキがかかっているとは言え、史上類を見ない原油高を経験しながら、わが社会は資源確保の重要性を改めて実感させられた。韓国の昨年、エネルギー輸入額は907億ドルで、全体輸入額の25%に達したが、石油、ガス自主開発率は3.2%(06年)に過ぎない。中国がアフリカ諸国を相手に首脳レベルでの資源外交を展開し、日本が莫大な支援を通し、影響力の拡大を図っていた時、手を拱いて見ていたからだ。
大陸棚をはじめ、新規の鉱区探査は言うまでもなく、既に生産中の海外の鉱区をさらに買収したり、外国の資源開発会社の買収・合併(M&A)をしたり、探査の技法や専門人材の確保にも更なる投資が求められる。エネルギー需給は共同体の生存と繁栄を可能にする土台だけに、国家百年の大計という目で見ていく必要がある。エネルギーの安定的な確保なしに先進国入りするのは難しい。