▲肥満の脅威が深刻〓報告書は、肥満が重要な危険因子とされる高血圧、糖尿病、大腸がん、関節炎、中風(脳卒中)、心臓疾患、高脂血症の7大疾患で発生した費用を直接費用と間接費用に分けて算出した。
直接費用は、肥満疾患の治療費として、外来診療費、入院費、薬局診療費で構成された。間接費用は、統計庁と労働部の死亡・賃金・就業率資料、保健福祉家族部の国民健康栄養調査資料などをもとに計算され、△入院と死亡による生産性の損失、△医療機関への往復交通費、△看病費用などで構成された。
肥満による直接費用は1兆1087億ウォンで、全体の社会・経済的費用の60.8%を占めた。間接費用は7152億ウォンだった。
▲先進国の肥満水準に迫る〓カナダ、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、ポルトガルなどは、肥満の直接費用が、全体国民医療費の2.0〜3.5%にのぼる。韓国は2.3%水準。肥満の直接費用が、全体医療費の5.5〜7.0%の米国には及ばないが、肥満問題がすでに西欧国家と同様の程度に深刻だということだ。
報告書は、肥満予防のための栄養・運動・カウンセリング費用まで直接費用に含めた場合、肥満による社会・経済的費用は、2兆ウォンをかなり上回るものと推算した。
▲肥満、「くすり代」が一番かかる〓肥満治療のためにくすりを多く飲むというのが、今回の研究の結果、立証された。すべての費用項目のうち、最も規模が大きかったのが、薬局診療費であるくすり代だった。05年の薬局診療費は総5226億ウォンで、全体の社会・経済的費用の28.7%を占めた。
直接費用のうち2番目に多いのは外来診療費で、3039億ウォン(全体費用の16.7%)だった。
死亡による生産性の損失額は総4494億ウォン(24.7%)を占め、間接費用のうち最も大きく、全体費用の中でもくすり代に続き2番目に多かった。05年だけで、肥満疾患で死亡した人は、5万6633人に上った。
疾患のうち、糖尿病と高血圧が最も費用のかかる肥満疾患だった。糖尿病による損失は6020億ウォンで、全体費用の33.0%を占めた。2位の高血圧の損失額は、5566億ウォン(30.5%)だった。両疾患を合わせると、全体費用の73.5%を占めた。
健康保険研究院の李ヘギョン副研究委員は、「05年、韓国内の肥満患者割合は31.7%で、3人に1人が肥満患者だ。韓国内の診療費データから、肥満の社会・経済的費用が算出されたことから、『韓国型肥満政策』づくりが急務である」と強調した。
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