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勝敗よりスポーツを楽しむ五輪に…選手とファンの意識に変化

勝敗よりスポーツを楽しむ五輪に…選手とファンの意識に変化

Posted August. 19, 2008 07:39,   

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北京五輪で、韓国に最初の金メダルをもたらした男子柔道60キロ級の崔敏浩(チェ・ミンホ)は、勝利が決まった瞬間、絶えず涙を流した。04年のアテネ五輪で銅メダルに止まった後の気苦労が思い出されたからだという。金メダルを取った選手と銅メダルを取った自分に対する周りの反応がずいぶん違ったという。

しかし、今大会に参加する選手とファンは変わった姿を見せている。選手らは競技を楽しみ、ファンもメダルを逃した選手らに励ましの拍手を送っている。12日の競技で、メダルの獲得には至らなかったものの、最後までバーベルを手放さなかった重量挙げ李培永(イ・ベヨン)のミニ・ホームページにはたくさんのファンが訪れ、「粘り強さを見て泣いた」などの激励の書き込みを残している。

王己春(ワン・ギチュン)、南賢喜(ナム・ヒョンヒ)が、柔道とフェンシングでそれぞれ銀メダルを取った11日には、2人のニミホームページに10万人以上のお祝い客が訪れた。

インターネットでは、地上波テレビの中継ではほとんど見られない注目度の低い種目の選手らへの応援メッセージも相次いでいる。15日、馬場馬術に出場したチェ・ジュンサンが、47人のうち46位となったニュースが報じられると、「五輪に出場したことだけでも凄い」「4年後を楽しみにしている」というメッセージが書き込まれた。

女子カヤック1人乗りに出場する李スンジャが、カヤックを直接借りている報道があると、「黙々と自分の道へ進むあなたたちがいて幸せだ」「あなたによって韓国のカヌーの歴史が始まることをよく知っている。絶対諦めないで頑張ってほしい」という書き込みが後を絶たなかった。

近代5種に出場する李チュンホンには、「こんなにたくさんの種目を独りでやりこなすなんて、真のスポーツマンだ」「たとえ少数の人しか関心を示さなくても、見守っている彼らのために頑張れ」というエールが送られた。

選手らも勝敗と関係なく、競技を楽しむのも、従来とはずいぶん変わった風景だ。柔道で2位となった金宰範(キム・ジェボム)は、「決勝で負けたのは負けたのだ。理由はない」と堂々と話した。

金メダル候補だった重量挙げの尹真熙(ユン・ジンヒ)は、自分のベスト記録を出せず銀メダルに止まったが、満面に笑みを浮かべた。李培永(イ・ベヨン)も「成績はビリだが、私は最善を尽くしたので、ビリではないと思う」と話した。金メダルが取れないと、頭を上げられなかった前の五輪とは違う様子だった。

関東(クァンドン)大学スポーツ・レジャー学部の朴ジンギョン教授は、これについて「1等至上主義から脱して、結果はともかく競技そのものを楽しむということが、今回の五輪観戦で見られる最大の特徴だ」とし、「先進国の専有物と思われた競泳で、金メダルが取れ、期待し難かった重量挙げの世界新記録をわが選手らが立てる姿を見ながら、観衆らも自信が出て、スポーツに接する幅が広がった」と説明した。

忠州(チュンジュ)大学スポーツ学科のナム・ジュンウン教授は、「韓国のスポーツが『エリート主義』から抜け出て、楽しむスポーツになりつつある証拠だ」とし、「国の支援が絶対的だった過去は国という概念が中心にあったが、今の選手らには自己満足、個人の名誉の方がさらに重要になりつつある」と述べた。



gold@donga.com ray@donga.com