放送通信委員会は放送産業の競争力の育成のため、新聞と放送の兼営禁止など、さまざまな規制を大幅に緩和すると明らかにした。放送と通信が融合する時代を迎え、尖兵の役割を果たすことになるインターネットテレビ(IPTV)を活性化し、大手企業の放送事業への進出もやりやすいようにしたものだ。新たな成長動力として急浮上している放送産業の育成に本格的に拍車をかけるという構想だ。
我々は有数の情報通信(IT)の大国である上、韓流の震源地として、放送コンテンツ産業においても優位を占めており、放送通信の融合時代の先駆者になる潜在力を持っている。しかし、現実は今ひとつである。インターネットテレビだけでも韓国は03年、最初の準備開始以来、無為に歳月を送り、昨年12月になってようやく法律の制定を終え、10月の実用化を待っている。その間、米国やヨーロッパ、日本、香港など30あまりの国々ではすでにインターネットテレビのサービスが開始され、韓国は後発走者として遅れを取ってしまった。
わが放送産業が遅れを取っているのは、放送と通信業化のパイ争いの上、さまざまな規制が足かせとなっているからだ。資産総額3兆ウォン以上の大手企業は、放送事業への参加が原則的に禁じられており、積極的な投資を行うことができなかった。新聞と放送との兼営を認め、メディア産業の相乗効果が出るようにする世界的な流れからも目をそむけてきた。放送関係者らは、「放送の政治的な独立」問題が浮上すれば躍起となったが、めまぐるしく変わる世界の放送産業と競争することには無関心だった。国家的に放送産業の零細化を自ら招いたわけだ。
しかし、放送産業が持つ生産効果や雇用創出効果は限りなく大きい。韓国は依然として初期段階のインターネットテレビの分野で、関連サービスや機器、ソフトなどを先占めする場合、世界市場で膨大な付加価値を手にすることができる。放送通信委員会は当初の計画通り、放送通信産業が拡大されれば、12年まで116兆ウォンの生産高の増加や29万の雇用確保が成されるものと予測いている。逆に、先進国に主導権を奪われることになれば、韓国は市場を譲り、危機に瀕することになる。
放送が言論としての正常化のための課題と共に、高度の未来産業へと育成することに目を向けるべきだ。すでに競争国に遅れを取っているだけに、政府は規制緩和や支援を加速化すべきである。依然として韓国は十分な可能性を持っている。