Go to contents

[オピニオン]情報チラシ

Posted October. 08, 2008 09:10,   

한국어

ドイツ人弁護士のミハエル・シェレ氏はウソのうわさのために経験したことをもとに「うわさ、私を破壊する得体不明の化け物」という本を出した。この本には悪質なルーモア、デマ、根拠のない疑惑の提起などによる名誉毀損、企業破産、自殺、殺人に至る数々の例が登場する。シェレ氏は「推測が、確認されていない情報と主張が偏見と願望、恐怖感、嫉妬といった攻撃的な感情とごった混ぜになればうわさが育つ」と話した。

◆うわさが多いことでは証券市場の右に出るところもない。情報がすぐお金につながり、「チラシ」と呼ばれるプライベートな情報紙が幅を利かせている。現職と前職の公務員、情報機関の関係者、証券会社職員、国会議員補佐官らが情報交換のために作成したチラシが、今はほとんど企業化している。汝矣島(ヨイド)を中心に、4、5の生産業者が盛況中だが、種類だけでも10種余りに及ぶ。かつては回覧していたものだが、今は1部30万〜50万ウォンで取り引きされているという。

◆チラシには、主に大統領府と政界、財閥企業、芸能界などに関する確認できていないゴシップ的な情報も登場する。崔真実(チェ・ジンシル)さんの「消費者金融説ルーモア」や、歌手ナ・フナさんを巡る奇怪なうわさの震源地もチラシだったという。公式的な情報網の域を離れて出回る怪談は、大衆の曲がった欲求と抑え付けられた期待の反映であることが多いが、多大な弊害をもたらす。ある女性歌手の場合、乱れた私生活のために病気にかかったという、チラシに書かれた一行のために広告契約を取り消された。ある芸能人は、生んでもいない息子の母親になっていた。誰かを中傷しようとするとき、チラシほどもってこいの手段はない。

◆チラシをはじめデマに対応する方法としては、公式な否定、訴訟、慰謝料の請求などがあるが、精神科医師たちは沈黙することを先に勧める。言葉が言葉を生むため、放置した方が良いというのである。「臥虎蔵竜」で韓国でも御馴染みの中国の人気女優チャン・ツイイは、自叙伝で「人気が上がるたびに、数々のデマが出回ったが、結局は私自身を信じた」と打ち明けている。普段、人に非難されるようなことをしていないという道徳的な自信があったから動揺することなく、結局はうわさも自然と消滅していったという。チャン・ツイイのように、韓国の芸能人たちも気持ちを強くして乗り切らなければならない。そうすることで、悪意的な「うわさのワナ」から抜け出すことができる。

許文明(ホ・ムンミョン)論説委員 angelhuh@donga.com