●都市全体が野球の熱気に包まれる
社稷(サジク)球場近くの釜山(プサン)地下鉄3号線の総合運動場駅は、プロ野球チーム・ロッテのテーマパークに衣替えした。釜山交通公社は最近、5、7、9、11番出口の通路の壁と柱を、ロイスタ監督、李大浩(イ・デホ)、ガルシア、孫敏漢(ソン・ミンハン)ら選手団と球団の歴史、市民の応援の姿の写真で飾った。
地下鉄の全路線の電光板334台にも「2008ロッテ・ジャイアンツ、秋を越えて優勝へ」というメッセージが刻まれた。社稷球場の空にはロッテを象徴する10メートル大の「釜山カルメギ(かもめ、ロッテを象徴する言葉でもあり、ロッテの公式応援歌の名前でもある)」の風船5個が飛び回っている。
「野球より面白い」という観衆の応援もお祭りムードだ。午後3時、野球場がオープンされると、まもなく3万の席が満席となった。試合が始まるずっと前から彼らは「ロッテ」と「釜山カルメギ」を叫んだ。ファンは社稷球場の専売特許の新聞紙応援(新聞紙を被って応援する)をするため、数々の新聞紙を持って入場した。野球場入り口の新聞売り場では同日1万5000部以上の新聞が売られた。
チケットを確保できなかったファンは、野球場入り口で200インチ大の大型スクリーンを見ながら街頭応援した。大邱(テグ)からやってきた三星(サムスン)ライオンズのファンは、「野球場周辺の応援の様子が、まるで2002年のW杯の時を見ているようだ」と話した。
ロッテの試合を見せるため、100インチのプロジェクターを購入した釜山市南区大淵洞(ナムグ・デヨンドン)の居酒屋D店は、同日、「ロッテが安打を打つたびにビール1本無料、ロッテが勝利すると50%割引き」を宣言した。
野球場近くの映画館でも野球場の入場チケットを提示すると、2000ウォンを割引した。海雲台(ヘウンデ)のあるミュージカル公演企画会社は、ロッテのプレーオフ進出の際20%、韓国シリーズ進出の際50%の割引を提示した。500億ウォンの限度で市販された釜山銀行の「秋の野球、特別定期預金」は、販売9日目で売り切れとなった。
●「秋のコノシロ」より珍しい「秋の野球チケット」
野球場のチケット売り場には、試合前日の7日午前から当日販売分(4000枚)を買い求めて徹夜した3000人が並んでいた。彼らは4日、30分でインターネット販売分(2万6000枚)が売り切れとなると、当日販売チケットを手に入れるため、テントとシートで野宿した熱情的なファンだ。
ミン・ヨングン氏(53、自営業)は、「歴史的なロッテの準プレーオフ戦を見るために、18時間を待った」と話した。金某氏(36)は、「チケットを買うため、1日休みを取った」と語った。9日に行われる第2戦のインターネット前売りチケットも売り切れたことで、第1戦が終わった後、また野宿するファンもいた。
「秋の野球チケット」が希少になると、野球場周辺にはダフ屋が幅を利かせた。1万5000ウォンの一般席1枚を4倍の6万ウォンで売ることもあった。
社稷野球場には同日、東莱(トンレ)警察署がダフ屋の取り締まりに、義務警察1個中隊や警察官40人余りを投入し、ロッテ球団も安全要員100人を配置した。
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