これまで議論を招いていた信用保証基金(信保)と技術保証基金(技保)の統合問題は、決定そのものが年末に見送られた。韓国地域暖房公社は経営権は民間に渡さないまま、株式の一部だけを売却することにした。韓国ガス公社と韓国放送広告公社の一部の事業に対しては独占権を廃止し、民間企業も関連事業に参入できるようにした。
企画財政部(財政部)は10日、このような内容を柱とした第3次公共機関先進化計画を発表した。これで李明博(イ・ミョンバク)政府が進める公企業民営化・統廃合案は事実上出揃った。
専門家の多くは、第1〜3次公共機関先進化案は、大手公企業が民営化の対象から外され、政権発足初期の公企業改革の意志が尻すぼみに終わる可能性が高いと見ている。
●金融危機のあおり受け、統合は「ひとまず見送り」
政府が同日発表した第3次計画によると、88ゴルフ場を運営する88観光開発と大韓住宅保証は民営化を推進し、韓国電力の子会社である韓電技術と韓電KPSは12年まで韓電が保有している持分の40%と20%を売却することにした。
韓国観光公社が100%の持分を保有し、外国人向けカジノを運営するグランドコリアレジャーは、10年まで49%の持分を優先的に売却することにした。しかし、1人当たりの買収限度枠を設けるので、観光公社の筆頭株主の資格は維持される。
韓国ガス公社が独占している天然ガスの導入と卸売の分野は、10年から民間事業者も同事業への参入が認められる。
韓国放送広告公社は、政府が株式を100%保有する株式会社の形態に転換することにした。また、現在、同公社が独占している放送広告代行市場に民間の参加を認める案を、来年末までまとめることにした。
政府は当初、内部的に信保と技保を統合することを決めたが、第3次計画発表の直前、政府与党間協議で、「党側の強い要求を受けて」(鞖国煥・財政部第2次官)年末まで決定を見送った。
鞖次官は、「米国発の金融危機によって中小企業の資金繰りが悪化している中、(中小企業支援機関に)メスを入れるのは望ましくないというのが党の意見だ」と説明した。
●公企業の改革意志、「尻すぼみ」への懸念
政府が発表した第1〜3次計画を総合すると、当初の検討対象だった319の公共機関のうち108機関が先進化対象に選定された。「先進化」とは、民営化・統廃合・機能調整・機関の廃止と経営効率化のすべて網羅した概念だ。
政府が民営化の計画を明らかにしたのは38機関。しかし、△一部持分の売却機関(5)、△先進化の以前から民営化の計画を発表していた産業銀行、企業銀行など金融公企業(7)、△民営化が当たり前な公的資金が投入された機関(14)を除けば、新たに民営化の対象になったのは12機関に過ぎない。
この12機関の役職員の総数は3379人(07年末基準)で、公共機関全体の従業員(25万9000人)の1.3%に過ぎない。
公企業先進化推進の背景について、政府が今年8月「英国、日本など世界各国は民営化など、公共部門の改革を成功裏に推進し、国の競争力を大きく強化した」と強調したわりには、実績が抱負に及ばないというのが事実。
鞖次官は、「韓電技術、韓電KPSなどの場合、民間企業の参加が拡大して市場が成熟すれば、いつかは民営化されるべきだ」と述べ、さらなる民営化の可能性を伺わせた。
計画は明らかにされたものの、実行過程は決して容易ではない見通しだ。例えば、信保と技保の統合は、計画を確定する前から政界によってブレーキがかかった。金融危機によって中小企業の経営が厳しくなっていることから、技術力のある企業など中小企業への保証を強化すべきだという世論が強まっているのだ。統合対象の住宅公社と土地公社はいずれも地方移転対象の機関であるため、地方自治体間の調整作業も容易でない。
最近、株式市場が低迷しているため、公共機関の株式売却作業でも曲折が予想される。新たな株主を見つけることも簡単でない上、安易に売った場合、「捨て値売却」との批判に巻き込まれかねないからだ。政府が持分の売却時期を機関別に10〜12年としているのも、市場の状況を意識しての措置と受け止められる。
政府は第1〜3次公共機関の先進化推進計画とは別に、全ての公共機関に対して効率性を10%以上引き上げることを目標に据え、年内に機関別の経営効率化計画を発表する予定だ。
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