監査院のコメ所得補てん直接支払金(直払金)の実態監査は昨年3月、盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領時代に大統領府の要請によって始められたことがわかった。
これは、監査院が憲法上、大統領府の干渉を受けない独立機関であるにもかかわらず、大統領府の指示で監査に着手したという点で、論議を呼ぶものとみえる。
政府関係者は19日、「昨年3月に大統領府が、コメ直払金制度に対する実態点検が必要だと、監査院に監査を要請した」と明らかにした。
同関係者は、「監査院でも、120兆ウォンも投入される農業構造改善事業に対する監査計画がすでにあった状況なので、大統領府の要請も考慮して、監査計画に含めた」と話した。
監査院は、大統領府の要請を受け、当初、昨年9月に始める計画だった監査の時期を4月に繰り上げたことがわかった。
監査院は、07年3月21日から4月10日まで予備調査をし、同年4月16日から5月15日まで、監査員23人を投入して監査を行なった。
また、監査院が盧前大統領に報告する前に、李鎬迵(イ・ホチョル)大統領国政状況室長(当時)が監査院にコメ直払金の実態監査の結果を報告するよう指示し、昨年6月15日に李室長に報告していたことがわかった。
当時報告には、河福東(ハ・ボクドン)監査院第1事務次長(現監査委員)とチョン・チャンヨン産業環境監査局長らが出席し、李国政状況室長は、監査院の報告を受けた後、盧大統領に結果を直接報告したという。
このため、金照源(キム・ジョウォン)監査院事務総長(当時)が盧大統領に監査結果を報告した6月20日以前に、すでに盧大統領は監査結果を詳細に把握した状態だったという。
監査院関係者は、「昨年6月15日、李鎬迵大統領国政状況室長に監査結果を報告した時、李室長は、『このように無茶苦茶だと思っていた。対策を急いで立てなければならない』と言って、驚いていた」と伝えた。
これに先立ち、農林部は、大統領府にコメ直払金制度と関連して、「賃借者の意思に反する賃貸者(地主)の一方的な直払金の受領はほとんどない」として、制度に問題点はないと報告した。
同関係者はさらに、「事態の深刻さを把握した李国政状況室長が対策づくりのために、5日後に開かれた盧大統領主宰の農政関係閣僚会議を準備した」と述べた。
このように、コメ直払金監査が大統領府の指示によって行われたことが明らかになり、監査結果を非公開にしたことにも、政権レベルで負担を感じた大統領府が介入したという疑惑が浮上している。
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