２３日に開かれる韓国銀行金融通貨委員会の本会議を控え、金融通貨委員会（金通委）が最近の韓国内金融市場の不安を抑えるため、どのような対策を打ち出すかに注目が集まっている。
政府や都市銀行、各企業は、ほぼ毎日のように、韓国銀行（韓銀）側に「蔵を開けてほしい」と求めている。
金通委は今会議で、通貨オプション派生商品「キコ（ＫＩＫＯ）」で被害を受けた中小企業を支援するため、総額限度貸し出しを２兆ウォン程度増やすという風に「情勢対応的」な対策をまとめるものと見られる。
韓銀は今月９日、基準金利の引下げ後、市中金利が引き続き上昇している問題についても、銀行債の買い付けや追加の金利引下げなどの対策を議論するものと見られる。しかし、政府当局と銀行圏で要求する「銀行債の買い付け」は、「モラル・ハザード」などの副作用が大きく、ただちに結論を下すことは難しい模様だ。
●通貨安定証券７０００億ウォン分買い戻し、市場へ資金供給
金通委はキコ被害を受けた中小企業へ支援を行うため、総額限度貸付規模を現在の６兆５０００億ウォンから８兆５０００億ウォンへと、２兆ウォン程度増やす案を重点的に検討している。総額限度貸付規模の拡大は、０１年１０月以来７年ぶりのことだ。これにより、キコ被害を受けた企業への「オーダーメイド型」支援に乗り出すことになる。
韓国銀行ではさらに、買戻し条件付債権（ＲＰ）や国債、通貨安定証券の買い付けにより、市場にウォン資金を供給させるという方針をすでに明らかにした。これを受け、２３日午前、０３年３月以降初めて、通貨安定証券７０００億ウォン分を途中で買い戻すことを決めた。
しかし、韓銀はすでに金利を引き下げ、市場に流動性を供給しているが、なかなか銀行圏には資金が流れないのが現状だ。韓銀が今月９日、基準金利を０．２５％引き下げたものの、３ヵ月物の譲渡性預金証書（ＣＤ）の金利は１０日から引き続き値上がりし、６．１５％にまで上昇した。０１年１月１９日（６．１６％）以降、７年９ヵ月ぶりの最高値である。
●貸付金利上昇が悩み
政府の最も強い要求は、「都市銀行が発行する銀行債を韓銀行で買い付けてほしい」ということだ。姜萬洙（カン・マンス）企画財政部長官は２２日、国会企画財政委員会での国政監査で、「金融委員会や韓国銀行と銀行債の買い付けや（担保融資の）金利の引き下げ問題を協議している」と述べ、「具体的なアクション・プランは近いうちに出るだろう」と話した。
政府当局が２１日、一般市民の負担を減らすため、変動型住宅ローン金利基準となるＣＤ金利の引き下げを誘導する計画だと明らかにし、軌を一にする発言だ。
問題は、金利を引き下げる適当な方法がないということだ。銀行預金の受け入れの３０％以上を占める銀行債やＣＤの金利が高止まり状態であり、調達コストを下げるのは難しい。銀行圏が最近、韓国銀行が市場の流動性の調整に使っているＲＰ対象証券に、国債のほかに銀行債も含めてほしいと要求しているのもこのためだ。そうすれば、金利は下がることもありうるし、今年末までに満期になる２５兆ウォンの銀行債の借り換えもできるという論理だ。
金融委員会の李昌饁（イ・チャンヨン）副委員長も同日、「ＲＰ取引対象に銀行債を含める必要がある」と、韓銀に働きかけた。同氏はまた、「その場合、金融当局は各銀行が銀行債の発行により、資産の拡大競争を繰り広げるのを食い止める計画だ」と説明した。副作用については、政府が責任と取るという意味だ。
●銀行圏「モラル・ハザード」を巡る議論
韓銀は戸惑いを隠せないでいる。金融危機対策に対する非常計画に銀行債買い付け案は、盛り込まれているものの、今はそのカードを出す時期ではないというのが、韓銀内での空気だ。
韓銀の関係者は、「米政府がＣＤの買い付けを決めたのは『バンク・ラン（銀行の預金引き出し事態）への懸念』をなだめるためのものだ」と述べ、「韓国内銀行は資金調達できるが、コストの高い『金利が問題』だ」と話した。危機状況ではないのに銀行債を買い付ける「極端な処方」を下せば、韓国内金融市場に対し海外の不信を助長し、都市銀行は事実上、金を刷る役割になり、「モラル・ハザード」も懸念されるということだ。
この関係者は、「ただ、銀行の資本調達コストが上がれば、一般市民や企業への貸付金利の負担がかさみ、不動産など資産価格の下落や金融機関の不良へとつながりかねないことが気にかかる。直ちに、銀行債の買い付けを巡る結論を下すのは難しいが、市場の現状を引き続き見守っている」と含みを持たせた。
parky@donga.com
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