北朝鮮の朝鮮労働党が、来年度の新年共同社説の執筆作業を始めたと伝えられ、どのような内容が含まれるのかが注目される。特に、今年9月に健康悪化が提起された金正日(キム・ジョンイル)総書記の後継問題が言及されるどうかが焦眉の関心事だ。
北朝鮮が、米国のバラク・オバマ次期大統領と李明博(イ・ミョンバク)大統領にどのようなメッセージを出すのかも注目される。
▲共同社説の執筆を開始〓政府当局者は21日、「北朝鮮が、共同社説の準備に入ったようだ。金総書記の健康悪化と米大統領選挙、北朝鮮の対南強硬政策の渦中のなか、その内容に注目している」と話した。
ある情報関係者も、最近北朝鮮で党幹部に会った海外在住韓国系実業家の言葉を引用して、「来年度の新年共同社説の執筆が始まった」と伝えた。
新年共同社説は、「金正日選集」など最高指導者の著作の次に重要な北朝鮮の公式発表物だ。対内(政治、軍事、経済)や対外(対韓国、対外)分野の順に、金総書記と党の新年政策と指導方針を伝える。
党内の各分野の担当者が意見を出し合い、最終的に金総書記ら最高指導部の決定を受けて公表されるため、通常11月から作業が始まるという。
▲父子世襲の正当化問題〓世宗(セジョン)研究所南北関係研究室の鄭成長(チョン・ソンジャン)室長は、「健康が思わしくない金総書記が、万一に備えて、原則的な言及をする可能性がある」と予測した。いわゆる、「継続革命論」(代々革命を引き継いでいかなければならないという論理)と革命3、4世代(韓国戦争後に生まれた金総書記の息子の世代)の役割の強調などを通じて、父子世襲を正当化できるということだ。
いっぽう、北朝鮮大学院大学の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は、「金総書記の健康が深刻な状態でないなら、権力分裂と内部混乱を招く恐れのある表現は入れないだろう」と話した。
▲対米メッセージは〓北朝鮮は、米国のビル・クリントン元大統領とブッシュ大統領の当選後の93年と01年の新年のあいさつと共同社説では、米国を直接取り上げなかった。その代わり、再選後の97年と05年には、「米国の対朝鮮圧殺政策」と「反共和国策動」と言って強く非難した。
北朝鮮は、直接対話を強調するオバマ次期大統領には、自分たちの対話の意思を伝える可能性があると観測される。
東国(トングク)大学の金榕鍱(キム・ヨンヒョン)教授は、「米国と話し合う用意ができているという柔軟な求愛メッセージが暗に盛り込まれるだろう」と見通した。
来月の軍事境界線を通じた陸路通行制限などの問題が残っているが、韓国に対しては、激しい非難を浴びせるものと予想される。北朝鮮は93年、金泳三(キム・ヨンサム)政府発足後、南北関係が硬直すると、94年以降の新年のあいさつと共同社説で韓国政府を強く非難し、責任をなすりつけたことがある。
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