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[オピニオン]漂流する文化芸術委員会

Posted December. 08, 2008 05:16,   

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芸術人たちに年間1000億ウォンに近くを支援する文化芸術委員会の金正憲(キム・ジョンホン)委員長が解任された。前任者の金炳翼(キム・ビョンイク)氏は、昨年7月に自ら辞職し、2005年8月に文化芸術委員会がスタートして以来、第1、2期の委員長がみな途中降板したのだ。金炳翼氏は、修羅場を彷彿させた委員会の雰囲気の中で、なんとか踏ん張ったが、結局お手上げを宣言した。金正憲氏は、委員会保有の基金の運営規定を違反して54億ウォンの損失を出したという理由で文化体育観光部によって退陣を余儀なくされた。文化芸術委員会のあり方が深刻に問われている。

◆政府の文化芸術支援金の配分は、30年以上も文芸振興院を通じて官主導で行われてきた。過去の政権は、このシステムを一変させた。文化芸術委員会を新設して芸術人たちが委員として参加し、自ら支援対象を決める方式だった。一部では激しい反対もあったが、議論を主導した左派の芸術人たちが気勢を上げていた時節だったため、一気に進められた。芸術人たちが自分たちが判断するという理屈は、一見もっともらしく見えたものだが、まさに、その中にワナはあった。

◆実際、委員会の運営に参加した経験のある委員たちは、自分たちが所属する芸術ジャンルの利害を代弁するのに汲々とした。お互い「主なきお金」を確保しようとし、軋轢が続いた。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府は、左派寄りの委員たちを大挙任命し、「偏重支援」問題が俎板に乗せられた。有望で実力を備えた芸術家を「選択と集中」戦略で支援するという基金の存在目的は跡形もなくなった。誰がパワーを持っているかによって支援対象が決まった。実りを期待できない「砂漠に水を注ぐ」ようなものだった。

◆基金の運用についての知識や経験のない芸術人たちが委員会を引き受けてから、基金の残高は目に見えて減っている。2005年に4880億ウォンだった基金は、06年=4580億ウォン、07年=4271億ウォンと急激に減少した。このままでは10年後には底をつくだろうという。解任された金正憲氏は、ただでさえ厳しい財政から54億ウォンを使い果たした。最大の被害者は芸術人たちである。経済危機が発生すれば、どこよりも先に寒波が吹き荒れるのが文化界だ。人々が文化活動の出費から切り詰めるからだ。そこで頼りにされているのが文化芸術委員会だというのに、これまでも崩壊してしまったら、この冬をどう凌げるのだろうか。芸術人たちは沈うつだ。

洪賛植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com