先月から放送されているテレビドラマ『総合病院2』は、法学部を出て司法試験に合格した後、医学部に進学した「ハユン(金ジョンウン)」が主人公だ。ハユンの夢は、医療専門弁護士。最近発表されたロースクール合格者の中には、医師が数名含まれている。ソウル大学が7人、梨花(イファ)女子大学が4人だ。弁護士が医学を学び、医師が法知識で武装する現象は、医療事故の急増傾向を反映している。医療事故による訴訟費用と示談金の規模は、2010年には1兆ウォンを上回ると予測されている。ますます需要が増える市場を見すえ、専門知識を身に付けておこうということだ。
◆医療事故が発生した場合、大抵は病院と患者の示談で解決するが、訴訟まで行くケースも増えている。00年519件から06年には979件に増加した。しかし、患者側が勝訴するには、患者自ら医師の誤った診療行為によって被害を受けたことを判事の前で証明しなければならない。民事訴訟法で、損害賠償の立証責任は被害者側にある。しかし、医学は高度な専門領域なので、患者が正確に把握することは容易ではない。そのため、医師を相手にした訴訟は、「たまごで岩をつぶす」ようなもので、勝算のない争いだった。
◆同じ病院で整形手術を受け、同じ副作用で被害を受けた患者が、インターネットで知り合い、集団訴訟を起こし勝訴した。医療事故で患者による集団訴訟で勝訴したのは、初めてのケースだ。細い木の枝でも、いくつか集めれば簡単には折れない力を見せる。最近の最高裁判所の判例も、医学の特殊性を考慮して、患者の立証責任よりも、医師側に過失がなかったことを証明するように求める方向に徐々に変わりつつある。医師も緊張せざるを得ない。
◆医療紛争の増加は、患者の権利意識が向上したことを示している。しかし、病院側も言いたいことが少なくないようだ。被害者が正確な状況を分からずに、度を超えた主張をするケースが多いと訴える。医学部の卒業生のうち、外科、産婦人科を志望する者が減り、「手術する人材がいない」という声が出るのも、医療事故の危険が高い分野を避ける現象によるものだ。医師側で患者の権利を尊重し、互いに不必要な社会的コストを減らそうとする努力が伴わなければならない。
洪賛植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com