熾烈で、騒々しく、荒波が襲った1年だった。
李明博(イ・ミョンバク)政権の発足とともに、期待で出発した08年韓国社会は、狂牛病(BSE=牛海綿状脳症)論議、ろうそくデモで沸き立ち、株価暴落とウォンの暴落、芸能人の自殺といった憂鬱な知らせで揺れ動いた。世界的には、前代未聞の金融危機と景気低迷の中で、大震災や洪水、テロ、流血デモが続いた。
しかし、「変化」と「希望」への期待は消えなかった。五輪で世界の中心に立った中国の自信と米国史上初黒人大統領の当選は、新しい時代を予告した。
米国で始まった金融危機により、韓国経済は97年通貨危機に劣らぬ苦境に陥った。当局の措置でヤマは越えたが、資金が銀行だけに回って現場に流れない「動脈硬化」現象は、今も企業家らの首を絞めている。危機が実体経済に移り、新年には成長率が下がり、雇用が減る過酷な状況の後、爆風を受けるものとみえる。
9月15日、米4大投資会社のリーマン・ブラザーズが連邦倒産法適用を申請した。米国発の金融危機が、世界的な景気後退に広がる信号弾だった。さらに、メリルリンチ、AIGなど、ウォールストリートの金融機関が相次いで倒れ、世界金融市場は恐慌状態に陥った。株価も一斉に急落した。ついに米国自動車会社「ビッグ3」が倒産危機に追い込まれ、大恐慌以来最悪の景気低迷が予想されるなど、世界は不安の中で年末を迎えている。