民主党国会議員50人余りが座り込みをしている国会本会議場には、手長ダコ、エイ、灰貝、イカ、熟柿、胡瓜、もち、みかんなど地域特産物やさまざまな食べ物が、送られているという。地方区議員らが自ら空輸したり、地方党員らが励ましのために送ったものだ。座り込みをしている議員らは、弁当の出前を取っているものの、このように珍しい食べ物が多く、食べ甲斐があるだろう。半月間休業しても歳費は支払われる。しかし、「立てこもりの宴」ムードに浮かれ、国民のひもじい苦痛や、構造調整により路頭をさまよっている失業者らの絶望感を忘れているなら、民主党は遠からず憤った民心の批判の的となるだろう。
今、全国では廃業に追い込まれる自営業者らのため息が高まりつつある。自営業者らが、一番先に経済危機の直撃を受けた。資産デフレに、将来への不安に怯える消費者らが、財布の紐を固く結んだためだ。今年に入ってから11月にかけて、韓国飲食業中央会に新規登録した会員件数は5万9834件であるのに対し、休業や廃業の届出件数は25万3935件に上る。廃業するところが、開業するところより4倍も多いという計算となる。今年の自営業者数は、8年ぶりに初めて600万人を下回るだろうという暗い予測もある。
各中小企業や中堅企業の不渡りのドミノ現象も深刻である。不渡り法人数は10月だけでも211社で、9月の140社より50%増となった。全体雇用の80%以上を占める中小企業の不渡りは、直ちに失業者増加へと直結される。失業者や就職できずにいる人が、全体就業者の10%を越え275万人に上る。職を探し求める人たちは今日も、様々なところの門をたたいているものの、受け入れるところはどこにもない。
自営業者が店をたたみ、中小企業が倒産すれば、それに頼って生きてきた人たちは、奈落の底に落とされてしまう。中間層は庶民へと、庶民は貧困層へと転落することになる。中間層や庶民の転落は、家庭の崩壊がさらに進み、社会の不安へと繋がりかねない。ところが、機会あるごとに「庶民のための政党」と叫んできた民主党は今、さまざまな経済再生関連法案を、国会常任委や本会議場で眠らせている。自己矛盾も甚だしい。
金炯旿(キム・ヒョンオ)国会議長は、国民生活関連法案と焦点法案とを切り離して処理することを提案している。最善策ではないが、国会を再生し、国民生活も再生するための苦肉の策と見られる。民主党が座り込み会場に特産物を送る「少数の民心」のみに目を向け、多くの苦痛や憤りを見過ごすことになれば、本当に救いようのない政党になるだろう。ハンナラ党も野党のせいばかりにしないで、国民生活や経済再生関連法案から先に処理する政治力を発揮しなければならない。