公職社会で1級公務員(管理官)は、「職業公務員の花」と呼ばれる。中央省庁なら、次官補や室長にあたる地位だ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の時、局長級である2級(理事官)および3級(副理事官)と統合し、高級公務員団制度というものを作ったが、依然として官庁街で1級と局長級とでは、天と地の差だ。企画財政部の予算室長や税制室長、国税庁次長やソウル地方国税庁長などの要職は、国会議員でさえ「公の席上では怒鳴りつけながら、後ろでは頼み込むほど」実質的パワーが強い。
◆局長から1級公務員に昇進するための競争は熾烈だ。実務能力が認められなければならないだけでなく、外からの圧力も必要だ。過去にもそのような風潮はあったが、金大中(キム・デジュン)政府発足時に、政治的判断によって1級を大幅に入れ替えてから、もっと著しくなった。「386(90年代に30代で、80年代に学生運動に参加し、60年代生まれの層)運動圏政権」の色彩が強かった盧武鉉政府では、理念によって二分する後遺症まで加わり、多くの高級公務員が苦労した。むろん、出世や生き残りのために、個人的性向と合わない「やりすぎ」をした人も少なくない。
◆昨年末、1級公務員たちが辞表を出した政府省庁の後任人事が遅れている。政権交代による高級公務員の辞任が望ましいかどうかについては、見解によって意見が分かれる。ただ、人事が遅れていることで、公職社会の関心が人事に集まっている現実は心配される。1級の席が長く空席であれば、その下の局長や課長たちも、自分の昇進や異動に神経を尖らせ、仕事が手につかず、組職がまともに動かないのが、官僚世界の常だ。
◆大統領府が、内閣改造の時期と規模について明確な方針を明らかにしないのも問題だ。長官たちが、自分の進退も分からない状況で人事を行うことは、現実的に容易ではないと見る分析が少なくない。大統領は、1級官僚の空白長期化の問題点を直視し、少なくとも内閣改造の対象ではない長官には、留任を伝え、人事を急がせる必要がある。前例のないグローバル経済危機の嵐が吹きつける今、迅速かつ効率的な危機対策に昼夜を問わず取り組むべき公職者たちが、集まっては人事の話で動揺する現実は、国と国民にとって望ましくない。
権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com