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[社説]米次期政府はFTA再交渉で韓米間の信頼を揺さぶるつもりなのか

[社説]米次期政府はFTA再交渉で韓米間の信頼を揺さぶるつもりなのか

Posted January. 15, 2009 08:34,   

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ヒラリー・クリントン米次期国務長官が、韓米自由貿易協定(FTA)を巡り、再交渉または追加交渉の必要性を示唆した。承認聴聞会に提出した書面での答弁を通じて、同氏はその理由として、「バラク・オバマ次期大統領はかつて韓米FTAについて反対しており、今も依然として反対している」という点を取り上げた。ヒラリー氏は、「韓国が再交渉を行う意思を持っていれば」という前提をつけており、韓国政府は「再交渉は不可」を再度確認しているものの、米次期政府の希望事項は我々にはプレッシャーとして働くことになるだろう。

自動車労組の支持を受ける米民主党の韓米FTAへの言いがかりは、突然のことではない。オバマ氏は大統領候補として決まる前の昨年5月、韓米FTAを、「欠陥だらけの協定であり、特に自動車部門は不公正だ」と決め付けた。大統領選挙期間中は韓国など、外国自動車のせいで米自動車産業が危機に見舞われているかのように問題視した。最近は、米最大労組である全国労働者総連盟—産業別労働組合(AFL−CIO)は、韓米FTAの自動車関連条項の再交渉や韓国の労働慣行の改善無しでは議会での批准を推進しないよう、次期政府に圧力をかけたことがある。

しかし、オバマ政府は、米自動車産業の崩壊の主要原因を自らに求めるべきである。燃費の低い大型車が消費者からは背を向けられ、組合員やその家族にまで支援した福祉費用によって会社の財政が悪化したことを、なぜ隠そうとするだろうか。自動車輸入が開放された韓国での米国車の販売不振は、性能やデザインなどの品質競争力が日本やヨーロッパの車に遅れを取っているからなのに、なぜ目をそらそうとしているのだろう。

韓米FTAは、政治や安保、経済を含めた韓米同盟関係を強化するための戦略的な選択だった。オバマ政府は自ら競争力を失った自国の自動車産業への後援のため、韓米間の信頼を揺さぶることになってはならない。

韓国内で、米次期政府の再交渉要求の可能性が強まったという認識があったのは6ヶ月前、短く見積もっても3ヶ月前のことである。柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官は昨年10月、「オバマ候補が当選すれば、韓米FTAの自動車部門の変更を要求する可能性がある」と国会に報告した。政府は、国会に対して米議会に先立って批准同意案を処理するよう求めたものの、国会は、「オバマ政府発足後の早い時期内での協議処理」という漠然として結論を出して先送りしてきた。国会の職務遺棄が協定相手国の再交渉へのプレッシャーを招いたことに他ならない。