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失敗した国家の「社会悪ウイルス」がグローバル化で全世界に伝播

失敗した国家の「社会悪ウイルス」がグローバル化で全世界に伝播

Posted January. 31, 2009 07:11,   

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「ローマ帝国を滅亡させたのは、当時、大国として浮上したペルシア帝国ではなく、野蛮人の群れだった」

英国官僚出身のロバート・クーパーの著書『国家の崩壊』に出てくる内容だ。各国が世界各地の混乱状況に積極的に共同で対応する必要があるという話だ。

時事週刊誌エコノミストの最新号(31日付)は、冷戦時代以降に失敗した国家の社会悪が世界に拡散し、危機が大きくなっていると報じた。国家間の境界が曖昧になり、交流と移民が増え、弱小国の貧困、テロ、麻薬、内戦などの混乱が、周辺国だけでなく地理的に遠い国家にも影響を及ぼすということだ。

同誌は最近、米国や欧州では、競争関係にある大国よりも弱小国や危機地域の紛争、犯罪などの不安な情況が、自国の安全保障と秩序の維持に多くの脅威要因になると伝えた。実際に、米国防総省は昨年、「無政府、失政など、統制不能の地域が、テロや犯罪組職が活性化する土台になる」と指摘した。

外交専門家たちは、このような現象が、9・11テロ以降著しくなったと分析する。中東で起こった危機と衝突が、9・11テロを契機に地域の枠を脱し、今や米国、欧州など、全世界の脅威になったと説明する。

一部地域の社会悪が、世界問題に拡散した代表例として、ソマリアの事態が挙げられる。米国は、ソマリア事態の解決に向けて、92年、国連平和維持軍として軍隊を派遣したが、約20年が経過した今でも、同地域でイスラム武装勢力の撲滅のために軍事活動を行なっている。

また、ソマリアの混乱は、06年にエチオピアの侵攻を惹起し、近隣海域のアデン湾を中心に海賊が活動する契機になった。このため、海賊が他国の船舶を攻撃し、中国がアデン湾に軍艦を派遣するなど、国際社会全体が影響を受けている。

多くのアフリカ系移民が居住するフランス・パリのスラム街で、05年に大規模な暴動が発生したのも、社会悪の伝播と無関係ではない。アフガニスタンやイラクなど、国内情勢の混乱した弱小国は、タリバンをはじめとする国際テロ組職の隠れがになり、西欧先進国の安全を脅かす根拠地に浮上した。

エコノミストは、世界金融危機、鳥インフルエンザの拡散など、多くの地域で同時多発的に発生する問題の原因も、同様に範疇に属すると説明した。



surreal@donga.com