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死体を捜せなければ、土だけでも……

Posted February. 11, 2009 09:41,   

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「死体を捜して、冥福を祈りたいというのが、家族の最後の望みです」

連続殺人犯カン・ホスン容疑者に殺害された中国朝鮮族同胞K氏(41)の2番目の妹の夫・金ソンヨル氏(56)は10日、吉林省延吉で記者に対して、「捜し出せなければ、死体が埋められたという場所の土を持ってきたい」と言って、目頭を赤くした。

殺害されたK氏の家族は、母親(64)と結婚した2人の妹と弟(30)、高校1年生の娘(18)。金氏は、K氏の母親と弟のパスポートとビザの準備ができしだい、早ければ今週にも韓国に向かう計画だ。K氏の2人の妹は、米国など他国で働いているため、姉の悲報を聞いても、集まることができなかった。

金氏は、「義姉は、幼くして父親を亡くし、高校を卒業してから事実上、家長として家計に責任を負って苦労ばかりしていた。何としても死体を捜すことが、家族の道理だ」と悔しい思いを語った。

韓国政府には同胞への関心を、駐韓中国大使館には国民の権利保護のために、死体を捜し出してほしいと訴える考えだという。

K氏が、2万元(約400万ウォン)の費用を払って、「コリアンドリーム」を求めてやってきたのは、06年6月。母親と弟、当時中学2年生だった娘の3人の生計と娘の大学の授業料を準備しようと考えていた。

韓国に来る7年前に、夫との不仲で延吉の実家に戻って苦労したことも、韓国行きを決心した一要因だった。

K氏は、韓国での生活が辛いとは一言も言わず、1ヵ月に約3000元(約60万ウォン)を延吉の家に送った。毎日欠かさず電話もかけていた。突然連絡が途絶えたのは、韓国に行って6ヵ月も経たない06年12月だった。

金を稼ぎに韓国に行った人の中には、消息が途絶えても、突然現われたりするという話が、同胞社会で流れていたので、K氏の家族は2年の間、希望を捨てなかった。

しかし先月末、青天のへき靂のような知らせを聞かされた。連続殺人犯が殺害した被害者の中に、娘がいるという話を伝えて聞いたK氏の母親は卒倒した。今は、家と病院を往復し、粥でやっと気力を維持し、外部との接触を一切断っている。

異国の地で、家族の生計に責任を負って苦労ばかりしてこの世を去った娘に対する申し訳なさと、無惨にも犠牲になった悔しさから、眠ることもできないという。

K氏の遺族は、名門高校に通うK氏の娘に「母親が殺人魔の犠牲になった」ということをどうしても言えずにいる。K氏の唯一の希望は、娘が名門大学に入ることだった。そのため遺族は、娘が大学に入学するまでは、できるだけこの事実を隠そうと考えている。

金氏は、「今回の家族の韓国訪問も、母親の消息を調べ、仕事を探すためだ」とごまかした。

しかし最近、娘が「こんなに長く連絡がないのはおかしい」と聞いてくる時、分かって聞いているのではないかと、ハッとするという。K氏の母親は、いつか孫娘が受ける衝撃を考えると、胸が張り裂けそうだと話した。