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[オピニオン]交通事故法の違憲決定以後

[オピニオン]交通事故法の違憲決定以後

Posted February. 28, 2009 04:43,   

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運転者が交通事故で被害者に重傷害を負わせた場合でも、ひき逃げ、スピードの出しすぎ、飲酒など重大な過失さえなければ、刑事処罰を免除してもらえる総合保険の効果が半減するようになった。憲法裁判所が一昨日、交通事故処理特例法第4条1項を違憲に決定したことを受け、交通事故の被害者と加害者が合意しなければ、刑事処罰を受けることになったからだ。

◆憲法裁は1997年には、「どの行為を犯罪にし、どのように処罰するかは原則的に立法者の決定することで、前科者の量産を防ぎ、交通事故によるトラブルの迅速の解決を図るという立法目的が認められる」とし、合憲の決定をした。しかし今度、憲法裁は、「被害者の裁判手続きの供述権を保障しなければならないにも関わらず、無条件(加害者が)免責されるようにしたのは、基本権侵害の最小性にそぐわない」とし、12年前の決定を覆した。裁判官の人的構成が変わり、過去と違ってほとんどの運転者が総合保険に加入している点、加害者が被害賠償を保険会社に任せたまま、被害者に顔も出さない現状などが影響を与えたという。

◆憲法裁の今回の決定は安全問題にさらに気を使うムードを作り、交通文化の先進化に役立つだろう。韓国の自動車1万台当たりの交通事故による死亡者は3.2名で、経済協力開発機関(OECD)加盟国平均の1.5名の倍以上だ。1日平均の交通事故は591件で、OECD加盟国平均の11倍にも上る。韓国の交通保険料は先進国に比べて割高なのに、交通事故はなかなか減らない。しかし、今回の憲法裁の決定の副作用を懸念する声も少なくない。過失事故を刑事処罰することで前科者を量産し、「重傷害事故」でも合意が成立すれば、刑事処罰が免除されるだけに、被害者の無理な賠償要求によって合意金が大幅に膨らむ恐れがある。

◆刑事処罰の新しい基準として登場した「重傷害」の範囲も明確でない。刑法第258条は、重傷害を「身体の傷害によって生命に危険をもたらしたり、障害または不治や難治の疾病に至らせた場合」と定めている。しかし、交通事故の特性上、事故の後、しばらくしてから重傷害と判明される可能性があり、被害者の年齢や身体条件などが重傷害の原因になりえる。憲法裁の決定による混乱と懸念を解消できる対策が急がれる。

権順沢(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com