09学年度の入試で、上位圏の大学が先を争って自由専攻課程を設置したが、大学生活2ヵ月を送った自由専攻の新入生の間には、「アイデンティティがない」という不満が出ている。
学部制と同様、2、3年生になると所属が変わると思って進学したが、期待とは違うという不満や、専用の建物がなく、他学科に住み込みをしているようだという不平、学校行事やサークル活動で先輩がいないため、疎外感を感じるという嘆きなど、理由も様々だ。
高麗(コリョ)大学の自由専攻学生たちは先月、大学側に、「学年が上がれば、専攻を決定して所属を該当の学科や学部に変えられるようにしてほしい」と要請した。しかし、学校側は、「新入生募集要綱に所属変更を許可するという内容がない」として、現実的に難しいという考えを示している。昨年、他大学に通って、今年に高麗大学の自由専攻課程を選んだある新入生は、「学校側に入学相談を受けた当時は、後で選択した専攻に進めると言ったので、当然、所属学科も変わると考えた。最近の学生は、副専攻や複数専攻など、専攻をいくつか作ろうと努力するが、私たちだけ曖昧な専攻で、卒業するのが不安だ」と話した。
延世(ヨンセ)大学自由専攻学部1年の朴某さんは、中間考査を受け、挫折を感じた。他系列に比べて必修課目が少なく、他学部の教養科目を手当たり次第に申請したのが禍根だった。朴さんは、「受講申請や論述試験が初めてなうえ、勉強内容まで広範囲なので大変だった。同じ経験をした先輩が助言をしたり、担当教授がコンサルティングをしてくれていたらという悔いが残る」と話した。
このような現象は、大学が自ら招いた面が大きい。法科大学院(ロースクール)の新設による法学部新入生の募集中止、薬学部の6年制転換による薬学部新入生の募集中止を挽回するために、性急に自由専攻課程を開設したことによる余波だからだ。上位圏の受験生の離脱を阻止するために、いわゆる「リーディング学部」として自由専攻課程を作ったが、カリキュラムをどのように運営するのかについて、説明不足だったと指摘されている。
日常生活への不満も多い。サークルや学会活動を一緒にする先輩がいないため、疎外感を感じるという。大半の大学が、新入生が消えた法学部の空間に自由専攻課程の学生を配置したため、違和感を訴えるケースが多い。自由専攻課程の学生は、大学のホームページに、「法学部の図書館で勉強すれば、法学部の先輩に気を使う」、「教授がロースクールの話ばかりをする」といった様々な不満を書き込んでいる。さらに、「大学のホームページの学科案内には、自由専攻がはじめからない」という自嘲もある。
このような問題は、自然科学系よりも人文系で特に目立つ。自然科学系の自由専攻の学生は、大半が医学部大学院への進学や3年時に薬学部に進むことを念頭に置くため、学部の所属専攻にはあまり関心を向けない。いっぽう、人文系の学生は、ロースクールや経営専門大学院などの進路を決めないかぎり、所属と専攻を非常に重要視するためだ。
自由専攻学部ではなく政策科学学部を新設し、ロースクールや行政国家試験などに特化した教育課程を強調した漢陽(ハンヤン)大学の関係者は、「歴史が古い米国のリベラルアート・カレッジなどとは違い、まだ、韓国の自由専攻は曖昧な面がある。各大学が、もっと明確な教育目標を伝える必要がある」と語った。
foryou@donga.com