Go to contents

[オピニオン]ネット道徳

Posted May. 09, 2009 08:14,   

한국어

30代半ばの男性が、オンラインゲームをした。彼は、相手の腕前に大敗した後、チャットで話しをしていると、相手が「チョディン」であることを知って驚いた。彼が年齢を明かすと、相手は最後に一発をくらわせて退出してしまった。「年取っていいね」。最近の子どもたちは、鉛筆よりもマウスを先に手にする。情報通信部と韓国インターネット振興院による05年ネット利用実態調査の結果、満3〜5才の子どもの47.9%が、ネットを利用することが分かった。

◆このように、インターネットに早くから接するため、韓国の小学生のネットの実力は、世界最高水準だと言っても過言ではない。「チョディン」という言葉も、ネットで小学生を指す言葉から生まれた。教育、ゲーム、映画、娯楽のような分野で、デジタルキッズがネットを支配しているが、親世代はついていくことができない。小学生たちは、自分たちの知的水準と欲求をネット空間に濾過なく投映する。無責任な書き込み、人身攻撃、中傷文化、著作権侵害、ゲーム中毒は、親と教師の干渉がない世界で無制限に成立する。

◆逆機能が徐々に大きくなっているにもかかわらず、ちゃんとしたネット倫理教育が行なわれていない。現行の小学校の「道徳(正しい生活)」教科書と補助教材である「生活の道しるべ」では、3年生までネット倫理に関する内容がまったく書かれていなかった。4年生2学期の道徳教科書で初めて、「ハッキングの危険性」、「ダウンロードによる著作権侵害の非道徳性」を簡略に紹介しているだけだ。5年生の道徳教科書で、「ネットと他人の権益」というタイトルで本格的にマナーが扱われる。

◆来年から、4年生2学期の道徳の教科書に、ネット虚偽情報の弊害を警告する内容が含まれる。「学校が休みだというデマを学校のホームページに掲載すればどうなるか」という具体的な事例が登場する。昨年は、狂牛病(BSE=牛海綿状脳症)牛肉、機動隊の女子大生暴行致死、崔真実(チェ・ジンシル)高利貸し説など、ネットによる虚偽情報の掲示と悪意のある書き込みが波紋を呼んだ。このようなネット煽動に振り回されないように、子どもたちに、入門段階から、ネットの仮想空間にも現実世界のように厳然な秩序と倫理があるという事実を分からせなければならない。現代人は、現実世界とサイバー空間の2ヵ所で同時に生きている。道徳教科にも、ネットの世の中に合わせて変わるのが当然だ。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com