政府と監査院が、全ての地方自治体と公共機関に独自の監査機構を運営するよう義務づけ、外部から専門家を各機関の監査責任者として採用し、任期と身分を保障する内容の法案制定を推進している。これは、多くの地方自治体などに監査担当機構がないか、あったとしても独立性と専門性に欠けているという指摘によるものだ。
監査院は、このような内容を骨子とする「公共監査に関する法律案」を確定し11日、金滉植(キム・ファンシク)監査院長に報告した。監査院関係者はすでに、行政安全部、企画財政部などと同法案の事前協議を終えたことを明らかにした。このため、政府は立法手続きを急ぎ、9月の定期国会に法案を提出する予定だ。
法案は、中央行政機関と地方自治体、各種公共機関を「公共部門」に指定し、すべての公共部門に独自の監査機構を設置、運営することを義務づけた。監査院は600内外の機関が、同法の適用を受けるものと予想している。法案は、各機関の独自監査機構が「監査活動で独立的地位を有する」と明示し、機関長の影響からも独立させる。また、各機関の独自監査活動に関する事項を法令で規定し、独立性を保障する考えだ。
監査責任者は開放型で、弁護士、会計士などの民間専門家の任命を可能にした。中央行政機関は、監査責任者的確審査委員会の審査、地方自治体は地方議会の同意、公共機関は監査責任者推薦委員会の推薦と監査責任者審査委員会の審査を経て、監査責任者を任命するようにした。監査責任者は任期3年、最大5年まで延長可能にした。
また法案は、関係機関の間で公共監査協議会を作り、現在の国会国政監査、監査院監査、中央省庁の地方自治体委任事務監査、地方議会の自治団体監査などにおいて、重複した監査を防止する考えだ。
監査院関係者は、「各機関の自主監査活動の独立性を保障し、基本事項を規定することが、今回の法案の性格だ」と説明した。米国は、監察官法(Inspector General Act)で、約30の中央行政機関の監査責任者を長官ではなく、大統領が議会の聴聞会を経て任命し、単一監査法(Single Audit Act)ですべての公共機関の標準監査基準を定めている。
政府は05年にも、「公共機関の監査に関する法律案」を国会に提出したが、第17代国会の任期満了のため、自動廃棄になった。監査機構責任者の開放職化、任期制、推薦・同意などは、当時の法案にも含まれた内容だ。当時の法案に対し、特に地方自治体首長の反対が激しかったという。
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