「仕事とレジャーの境界が崩れる『ワジャー(weisure )』の時代が到来する」。
米国では最近、「ワジャー」という新造語がCNNなどのマスコミやブログにたびたび登場している。
「ワジャー」とは、仕事(work)と余暇を意味するレジャー(leisure)の合成語。ニューヨーク大学・社会学部のダルトン・コンレイ教授が、最近発表した同氏の著書、「米国はどこでも(Elsewhere,U.S.A)」の中で初めて言及した。米国や日本などの先進諸国で最近、仕事とレジャーとのバランスを取って生活の質を改善しようとする「ワーク・ライフ・バランス」キャンペーンが行われている中で出た言葉であり、急速に広まっている。
コンレイ教授は、ワジャー時代になれば、毎日午前9時から午後5時まで、オフィスなどに出勤して働く現代人の業務やライフスタイルが、画期的に変ると予測している。無線技術の発達のためである。必ずしも、在宅勤務のみを意味するのではない。スマート・フォンやノート・パソコンを利用して、自宅やオフィスはもとより、デパートで買い物をしたり、海でヨットを楽しんだりする途中、どこでも即座で働くことができるという説明である。ワジャー社会では1日24時間、レジャーと仕事とを同時に処理することができる。
仕事と休憩との境界もあいまいになり、仕事の効率が落ちるだろうという懸念の声もある。しかし、インターネットなどの先端技術は、仕事に不必要な時間を減らし、仕事の処理量を増やす一方、時間や場所の制約がないため、仕事効率の低下を恐れる必要はないと、コンレイ教授は説明する。米国では、公的な業務とプライバシーとをはっきり区分する職業倫理が強調されてきた。しかし、仕事とレジャーとが一つになった新しい時代には、その二つを調和を持って扱う能力が重要となる。
人間同士のネットワークにも変化がおきるものと見られる。コンレイ教授は、ワジャーを通じて、個人主義文化がはびこっている米社会で、人間関係や社会的な交流に大きな変化が現れると見ている。家族と旅行しながら職場の同僚と携帯電話やインターネットのチャットを利用して会議を行うこともできる。また、「フェイス・ブック」などの親睦サイトやオンライン・ゲームを通じて親しくなったネット上の友達がビジネス・パートナーや仕事を一緒に処理する同僚となる可能性もでてくる。
コンレイ教授は、産業革命以降、個人の暮らしの中で仕事が占める割合は過度に高まったのが問題であり、近いうちにワジャーは日常的なものになるだろうと見込んだ。同氏は、CNNとのインタビューで、「経済が発展するほど、サラリーマンの業務時間は次第に長くなってきた」とし、「仕事とレジャーを同時に処理し、時間を節約しようとする米国人が増えている」と語った。
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