北朝鮮が、先月5日の長距離ロケット発射と今月25日の核実験に続き、大陸間弾道ミサイル(ICBM=射程5000キロ以上の長距離ミサイル)の発射を準備していることが29日、確認された。これは、核実験に対する国連安全保障理事会の制裁論議にもかかわらず、軍事的緊張をさらに高めるという北朝鮮側の意図を示す動きとみられる。
米ワシントンに精通した消息筋は同日、「北朝鮮が、平壌(ピョンヤン)付近にある山陰洞(サンウムドン)兵器研究所でICBMを作り、列車で移動する準備をしている事実が、米国の偵察衛星で捉えられた」と伝えた。米フォックス・ニュースも28日、米情報当局高官の言葉を引用して、米国が要注意の場所と見ていた山陰洞兵器研究所で、北朝鮮が過去に長距離ミサイルの発射を準備する時に見られた動きと同様の車両と人の移動が捉えられたと報じた。
山陰洞兵器研究所で、長距離ミサイルの部品と本体が研究・開発され、製作されている。北朝鮮は、先月5日に発射した長距離ロケットもここで本体と部品を作り、列車で咸鏡北道花台郡舞水端里(ハムギョンプクト・ファデグン・ムスダンリ)に移動し、組立てて発射した。
北朝鮮は先月29日、長距離ロケット発射に対する国連安保理の対北朝鮮糾弾議長声明の採択に反発する外務省報道官の声明を通じて、2回目の核実験とICBM 発射実験をすると明らかにし、今月25日には予告どおり核実験を強行した。北朝鮮外務省報道官は、29日にも声明を出し、核実験に対する国連安保理の制裁論議に対して、「安保理がこれ以上の挑発をしてくる場合、それに対応したさらなる自衛的措置が避けられないだろう」と明らかにした。
一方、北朝鮮が、民間船舶の航海の安全を保障できないと威嚇した西海(ソヘ・黄海)上の北方限界線(NLL)付近の海上で、カニ漁の操業をしていた中国漁船が28日午後から突然撤収し、軍当局が注視している。
29日、韓国軍筋によると、これまでNLL付近では、中国漁船約280隻が操業していたが、徐々に減少し、現在は約120隻が残っているという。ただ、北朝鮮漁船は、NLL海上の北方の海岸で、普段どおり操業しているという。
軍関係者は、「中国漁船の撤収が北朝鮮の要請に従ったのか、中国が南北間の緊張による衝突の口実を与えないために指示したのか、分析している。北朝鮮の挑発の可能性も排除できないと見て、西海の北朝鮮軍の動向を綿密に監視している」と話した。
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