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「高検長が有力」から「意外人物」に一転 検事総長人選の謎

「高検長が有力」から「意外人物」に一転 検事総長人選の謎

Posted June. 23, 2009 09:29,   

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21日午前10時頃、メディアで次期検事総長として最も有力視されていたソウル高等検察庁の権在珍(クォン・ジェジン)検事長(司法試験第20回、司法研修院第10期)は、大統領府民情ラインのある関係者から一本の電話を受けた。まもなく検事総長の人事が発表されるので、準備しなければならないだろうという趣旨の内容だった。この電話を受けて、何事にも慎重さを忘れないことで定評のある権検事長も、自分の検事総長内定を確信したようだ。

実際、権検事長に近いある後輩検事は同日、権氏の指示を受けて、検事総長内定によるメディア配布用のプロフィール作成に取り掛かっていたという。

同じ時刻、法務部と検察周辺にも、権検事長の総長内定発表説が流れた。

ある検察中堅幹部の話。

「日曜日午前、別の検事を含む数人と会っていた。その中には、大統領府関係者も1人いた。午前10時が少し過ぎた時、その大統領府関係者が民情ラインの誰かから電話を受けて『検事総長は権在珍』と言ったので、そうだと思った」

法務部と検察の一部幹部は、権氏に祝いの電話をかけたという。

午後12時を過ぎ、「まったく意外な人物になる」という話が少しずつ流れたが、権氏が内定されることに疑いを抱く人はほとんどいなかった。しかし、午後1時50分頃、大統領府は検事総長に前任の林采珍(イム・チェジン)総長より司法研修院3期下の権検事長よりも、2期下の司法試験第22回の千成𨛗(チョン・ソングァン)ソウル地検長が内定したという事実を、メディアに突然発表した。検察幹部は、記者の電話取材に対して「大統領府で混乱があったようだ」という言葉だけを繰り返した。

検事総長の人選をめぐり、一体何があったのか。

大統領府関係者の話を総合すれば、当初、民情ラインが権検事長を検事総長第1候補に挙げたのは明らかなようだ。

ただ、誰が千氏を推したのか、李明博(イ・ミョンバク)大統領が権氏を任命しようとしたが、発表当日に突然千氏に変えたのか、その前にすでに千氏に心を決めていたのか、などの人選の過程は謎のベールに包まれている。そのうえ、権氏が当日午前に大統領府関係者の電話を受けて、メディア用プロフィール作業を指示したことが伝えられ、このような疑惑を増幅させている。

いっぽう、「千成𨛗カード」が突然出たのではないという分析もある。ある大統領府関係者は、「すでに1週間前から千成𨛗氏の話が出ていた」と話した。また、6月12日に権検事長や文晟祐(ムン・ソンウ)最高検察庁次長(司法試験第21回)を含め、司法試験第22回の中で唯一、千氏に人事検証同意書を送りサインを受けたという。ある与党関係者は、「先週の金曜日の午後に、すでに権検事長と千氏の2人に絞られた状態だった」と話した。

李大統領の最終決断には、権氏が大邱(テグ)出身という点、金慶漢(キム・ギョンハン)法務部長官の高校の後輩という点、千氏が文化放送(MBC)の「PD手帳」と龍山(ヨンサン)事件を円満に処理したという点、世代交代を通じて検察組職を一新できるという点、忠清(チュンチョン)圏への配慮などが、複合的に作用したということだ。

いっぽう、権検事長と金鑭圭(キム・ジュンギュ)大田(テジョン)高等検察庁検事長(司法試験第21回)は22日、「次期検事総長に内定した千氏にプレッシャーを与えない」として、法務部に辞意を表明した。



yongari@donga.com jin0619@donga.com