サッカーはスポーツ以上だ。国民を一つにし、政治が解決できないことをやり遂げる。史上初、アフリカ大陸で開催される10年南アフリカ共和国ワールドカップ(W杯)もサッカー以上の大きな意味を持つ。ダニー・ジョーダン南アフリカ共和国(南ア共)W杯組織委員会(SALOC)事務総長(57、写真)は、「来年のW杯は南ア共を一つにし、人種差別が無くなるだろうし、世界平和にも貢献する」と話した。
SALOC最高経営者としてW杯の全てを司るダニー事務総長と29日、南ア共のヨハネスブルグのミケランジェロホテルで会った。これまで一部の国内マスコミに感想を短く述べるインタビューはあったが、長時間にわたるW杯の青写真を示したのは今回が初めてだ。
——1年残っているが、W杯に向け準備はうまく行っているのか。
「韓国の本大会進出、おめでとう。まだまだ02年の韓日W杯の記憶が生々しい。本当に幻想的だった。数百万人の韓国のファンが赤色の服を着て、競技場の外の広場に集まって、応援していたのを我々も見習いたい。来年、南ア共でも02年の韓国応援スタイルを導入して、国民を一つにしたい。今回の09コンフェデレ—ションズカップで、16試合を行ったが、全く問題はなかった。現在、競技場は着々と建設されている。5つはもう完成した。来年初めまで10の競技場が全て完成する」
——南ア共がW杯開催により、得られる効果は何か。
「まず、各種インフラの構築は、南ア共の発展をもたらすだろう。空港を増改築している。道幅を広げており、25の高級ホテルを新しく建てている。第二に、観光客の誘致だ。現在、950万人が毎年南ア共を訪れている。来年は1050万人以上の観光客の誘致を目指している。第三は、国家のイメージ向上だ。W杯を通じて、世界の人々は南ア共を見直すようになるだろう。第四は、黒と白が2つではないということを世界に示すだろう。今回のコンフェデレーションカップで、競技場には黒人と白人がみんなスタンドを埋め尽くし、『バファナ・バファナ(Bafana Bafana=ズールー語で少年たち、南ア共サッカー代表チームを意味)』を応援した」
——韓国と北朝鮮が本大会に共に進出した。
「本当にすごい。韓国と北朝鮮が、W杯本大会の舞台で初めて顔を合わせることになった。その歴史が南ア共のW杯で実現したのがとても嬉しい」
——現地に来てみたら、交通システムが不十分で、宿泊施設も足りないと思ったが。
「今回のコンフェデレーションカップで、パーク・アンド・ライド交通システム(駐車難解消のため、駅まで自家用車で移動後、公共交通機関を利用する方式)をテスト導入した。初日、やや問題はあったが、全体的に成功だという評価だ。まだ、宿泊施設が足りないのは事実だ。しかし、ホテルを建てており、ゲストハウスなど多様な宿泊施設を用意しているので、大きな問題はないだろう」
——一部では安全問題を提起しているが。
「南ア共が安全であるということは、今回のコンフェデレーションカップで証明した。大会期間中に全く事故はなかった。ファンは歌を歌いダンスを踊り、歓呼を上げながら試合を観戦した。サッカーファンが安全を心配することなく、サッカーを楽しんでいたことで証明した」
——南ア共国民のW杯に対する熱気はどうなのか。
「一言で言えば、熱狂的だ。ファンの熱烈な応援を追い風に、南ア共が今回のコンフェデレーションカップで4位を収めた。『バファナ・バファナ』が国民を一つにしてくれた。今回の試合を通じて、国民は10年にもうまくやれるという希望を持つことができるようになった」
yjongk@donga.com