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[オピニオン]デンマークのグリーノミクス

[オピニオン]デンマークのグリーノミクス

Posted July. 01, 2009 03:05,   

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英国の新経済財団やオランダのエラスムス大学が06年、国別幸福指数(生活満足度)を巡っての調査を行った結果、1位はデンマークだった。デンマークの07年の一人当たりの国民総生産(GNP)は5万4910ドル。ルクセンブルクやスイス、ノルウェーはデンマークより国民所得は高かったものの、国民が感じる幸福指数は、デンマークより一段と下がっている。調査結果、1人当たりのGNPが1万9690ドルの韓国人の幸福指数は103位と、日本(90位)はもとより、中国(82位)よりも低かった。

◆デンマーク国民が生活に満足する重要な理由の一つは自転車である。デンマークの自転車は、人口よりも多い。王族が自転車に乗って買い物をしたり、大半の国会議員や長官が自転車に乗って通勤する。背広姿の男性やドレスを身にまとった女性が並んで自転車で来ては、オペラを鑑賞する。交通地獄も、大気汚染も存在せず、スタイルもほかの欧米人に比べて抜群である。デンマーク政府が自転車優先政策を強力に進め、自動車信号より自転車信号を優先し、自転車道路の充実化を図ったことも功を奏した。

◆申載賢・エネルギー資源協力大使は、エネルギー政策の模範事例として、デンマークやアイスランドを取り上げている。申大使は、「デンマークのモデルに我々の未来がある」と語る。環境にやさしい政策を通じて生活の質を高め、国富を創出するグリーノミクス(Greenomics)の手本だという。1973年のオイルショック当時、エネルギーの99%を輸入に頼っていたデンマークは、20年間多角的なエネルギー低消費や輸入代替政策を展開し、1997年、エネルギーの自給に成功した。同期間、デンマークの経済規模は2倍に成長したものの、1人当たりのエネルギー消費量は増えていない。エネルギー消費効率をその分だけ高めたことになる。熱併合発電や地域暖房、環境税の導入、風力や太陽光などの新再生エネルギー投資などの政策手段を動員した。

◆デンマークのモデルは我々にも示唆するところが大きい。もちろん、人口数が少なく、地形条件が韓国とは異なるデンマークの制度をそのまま見習うことはできない。例えば、原子力を開発しない「無原子力計画」を1985年から実施してきたデンマークとは異なって、我々は原子力の比重を引き上げざるを得ない。しかし、エネルギー危機をチャンスに変え、環境分野における新成長エンジンを求める知恵と実行力は学ばなければならない。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員