22日、国会本会議を通過した新メディア法の核心は、経済協力開発機構(OECD)30ヵ国の中で、韓国にだけある新聞と放送の兼営禁止条項をなくし、メディア間の進入障壁をなくすことだ。80年の新軍部による言論統廃合措置以降、地上波の放送社が支配してきた国内の放送市場に新しい事業者が進入することで、新たなチャンネルが登場することになり、視聴者が多彩な視点の番組を選択できる基盤ができた。これにより、真の放送民主化が可能になったのだ。
放送通信の技術が目まぐるしく発達するため、先進国では、メディア産業を集中育成し、新たな成長動力と考えている。韓流の輸出で明らかになったように、よくできた番組は、経済的・文化的効果を生み出し、高い付加価置を創出する。メディア法改正で、韓国でも、市場内競争が本格化し、新聞と放送が互いに手を握る事業者間の垂直的・水平的結合が成立する「メディア・ビッグバン」が予想される。
放送通信委員会は、後続措置に着手して、すぐに施行令を作成し、総合編成チャンネル、報道チャンネル事業者の選定基準を発表する。遅くとも11月までには、各1、2個の新たな総合編成チャンネルと報道チャンネルの許可を終える計画だ。メディア産業分野に資本が流入し、若くて創意的な人材に良質の雇用が多く生じることになる。
旧来の独寡占の構図から競争体制に変われば、ニュース報道と放送コンテンツの競争力が高まることは言うまでもない。「米国産牛肉=狂牛病」を主張し、理念と政派によって事実を歪曲し、虚偽情報で国民を煽動する放送は、国民の選択を受けることはできなくなるだろう。新聞が兼営する放送の報道も、公正性と客観性を持つことができなければ、同様に背を向けられる。
与党ハンナラ党が、法案阻止を図る野党と長期間駆け引きをする過程で、当初の案から大きく後退したため、実際にメディア産業の地殻変動を起こし、地上波の視聴率独寡占を緩和する段階にまで至ることができるか、時間をかけて見る必要があるという観測もある。メディア産業の育成とニュースの多様性確保という当初の趣旨を実現するためにも、補完する部分があるなら急がなければならない。
新しい放送局が登場し、競争が激しくなり、商業的な番組が雨後の竹の子のように生じる憂慮に対しては、厳格な事後規制を通じて解決しなければならない。受信料を徴収する公営放送であるKBSは、公営性強化に力を入れることで、放送の模範を示さなければならない。国民の財産である電波を「不倫」では足りず「破倫」で満たし、指弾を受けた公営放送の一部番組も、公営放送らしく変わらなければならない。放送通信審議委員会は、番組に対する監視を強化し、歯止めをかける必要がある。
学界と放送業界では、今回のメディア法可決で、放送市場の規模が現在より15.6%増加するものと予想している。連関効果まで合わせれば、最大2兆9000億ウォンの生産誘発効果があるという見通しだ。新しい版図に再編される国内の放送界が、競争力のあるコンテンツを作り出すために善意の競争をすることで、韓国にもグローバル・メディアグループの誕生が期待される。