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[社説]李大統領は「入試混乱」を引き起こすのか

[社説]李大統領は「入試混乱」を引き起こすのか

Posted July. 28, 2009 08:23,   

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27日、ラジオ演説で、任期末頃には大学入試制度がほぼ100%入学査定官制、または農漁村地域均衡選抜制に変わるという李明博(イ・ミョンバク)大統領の発言が、波紋を呼んでいる。同日の発言は、私教育対策の一環として、大学入試改革と入学査定官制の必要性を取り上げたことから進み、「任期末」という期限とともに「100%入学査定官制選抜」という具体的な内容を盛り込んでおり、大学入試制度の革命的変化を予告したものとみえる。

大統領の発言直後、大統領府は、教育改革に高校連携型選抜方式、教育課程の改編、そして修学能力(日本のセンター試験に該当)体制改編の順に進み、これが根づくのに3年ほどかかるため、2013年には100%入学査定官制選抜が可能だと説明した。一言で、大学入試制度を丸ごとひっくり返そうという話だ。私教育亡国病を治そうという大統領の思いは理解できるが、入学査定官制100%選抜は現実的にも不可能であり、教育自律化に逆行するという点を明確にしておきたい。

入学査定官制が、学生の点数よりも創意力と潜在力を見る先進国型選抜制度であることに違いはない。しかし、米国でも、同制度が定着するのに100年以上の歳月がかかり、それだけのノウハウ、高校と大学間の信頼が築かれているからこそ、可能なことだ。しかし、韓国の現実はそうではない。2010年度に入学査定官制によって選抜される定員は、47大学約2万690人で、昨年の40大学4555人に比べ、4.5倍に増えた。これは全体入学定員の6%にすぎないにもかかわらず、父兄と受験生に大きな混乱を与えている。3年以内にこれを100%拡大することは可能なことなのか。

入試制度は、大統領だとしても、そのように手を入れるものではない。その上、李政権は慮武鉉(ノ・ムヒョン)政権の「3不政策」を批判し、大学に学生選抜自律権を返すと約束した。大統領が、入試制度に対し、指示をすること自体、旧世代の遺産である。李周浩(イ・ジュホ)教育科学技術部次官が、大統領の発言を受け、「速度調節が必要だ」と言ったほどだ。

入試制度を変えるには、長期間の研究と社会的合意が必要だ。しかし、このような手続きもなく、それも国家百年大計を考えるよりも、私教育を抑えるという目的で、短期間に入試制度を改正するなら、混乱と副作用はどれほど大きくなるか。入学査定官制とは、人が人を選ぶことだが、制度(修学能力)で人を選んでも雑音が生じる状況で、突然このような制度を変えることになれば、どんなことが起るか恐ろしい。