朴泰桓(パク・テファン、20=檀国大)は、ローマ世界競泳選手権大会自由形200メートルと400メートルで低調な記録で決選進出に失敗した。今回の試行錯誤は今後、朴泰桓がどの細部種目を目標に練習していけば良いのかを学んだ良きチャンスだった。
自由形200メートル、400メートル、1500メートルの練習の仕方には大きな違いがある。自由形200メートルは無酸素能力(スピード)に集中する練習をしつつ、有酸素能力(持久力)を補う練習をしなければならない。いっぽう、1500メートルは持久力の練習に重きを置きながら、スピードトレーニングを並行しなければならない。陸上400メートルと1万メートルの違いと似ている。競泳400メートルはその中間ぐらいだと言える。
朴泰桓は米国キャンプで、1500メートルの練習に集中しすぎた。トレーニングが終わった後、5月末に参加したジャネット・エバンス大会の結果を見てみよう。200メートルでは自己最高記録(1分44秒85)より2秒以上遅れた1分47秒43、400メートルではベスト記録(3分41秒86)に10秒遅れの3分50秒27で振るわなかった。反面、1500メートルではベスト記録(14分55秒03)に近い14分57秒06を記録した。結果的に、スピードが足りず、今大会の200と400メートルで良い成績が出せなかったわけだ。
今大会の200と400メートルで世界記録を塗り替えて優勝したパウル・ビーダーマン(ドイツ)は、1500メートルには出場しない。「競泳皇帝」のマイケル・フェルプス(米国)は100メートルと200メートルの専門だ。ところで、朴泰桓は200メートルと400メートルだけでなく、1500メートルにも出場する。陸上の中距離選手がマラソンまで走るのだ。
朴泰桓には選択と集中が必要だ。彼は北京五輪で400メートルの金メダル、200メートルの銀メダルを獲得した。400メートルは世界を数回制覇したという経験があるため、自信もある。したがって、400メートルに集中しながら、200メートルを並行するか、それとも1500メートルを並行するかを選んだ方が良い。
400メートルは持久力とスピードを兼ね備えなければならない。北京ではスピードと持久力が絶頂のコンディションだったので、200メートルでも良い成績が上げられた。もし、トレーニングの結果、持久力とスピードが良かったら、1500メートルを狙ってもいいだろう。主種目が決まったら、長期プランを立てて12年ロンドン五輪に向けて前進しよう。そうすれば、今回の失敗は成功へ向かう良薬になるはずだ。