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墜落する英国「羽がない」

Posted August. 03, 2009 09:03,   

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「偉大な英国は忘れろ」

大英帝国時代、「太陽の沈まない国」と呼ばれた英国。第1次世界大戦を経て、帝国が崩壊した後も、英国は数十年間、世界の舞台で「小さな大国」として君臨してきた。このすべてが、金融をはじめ先進の経済力や文化的影響力、核を保有する莫大な軍事力、最強大国である米国との強い関係があったがゆえに可能なことだった。世界紛争に介入し、各種国際問題に声を上げるなど、旧帝国の面貌を部分的に維持してきた。

しかし、世界的な経済危機が、英国の成長を牽引してきた金融産業を直撃し、状況は一変した。卸売物価が50年ぶりに初めて下落するなど、デフレーションへの懸念が現実味を帯びてきたほか、失業手当の受給者の数も97年以降、初めて200万人を突破した。国際通貨基金(IMF)は、現在、国内総生産(GDP)に対して68.6%水準の英国の公共負債が、5年後には100%に迫るだろうと警告した。

ニュース週刊誌ニューズウィークの最新号(8月17日付)は、「偉大な英国は忘れろ」という特集記事で、最近の世界的な経済危機で、英国の対外影響力が急激に萎縮しているとし、「大英帝国時代、一度も沈まなかった太陽が、英国の野心に長い影を落としている」と指摘した。同誌は、「英国はもはや世界の舞台での役割を見直す時がきた」と強調し、恐らく「小さな英国」に満足しなければならないかもしれないと書いた。

現代史で見ると、英国は、世界の舞台で自分の国力を越える過度な役割を追求してきた、ほぼ唯一の国だった。冷戦時代、英国のサッチャー首相は、米国のレーガン大統領を助け、ソ連を崩壊に導き、資本主義の拡散を図った。97年から10年間在任したブレア首相は、コソボ、アフガニスタン、イラクの3地域で戦争を遂行した。軍事的介入の件数が、世界の警察を自任する米国の次に多かった。特に、ブレア首相の時代、まるで英国が米国の51番目の州であるかのように、米国が主導する多くの戦争に参戦し、ウィンストン・チャーチル首相以降、英国が持てなかった国際的影響力を一時的に取り戻した。

しかし、英国を直撃した経済危機によって、国防省と外務省の予算が大幅に削減され、英国はこれまでのような役割をもはや担えなくなったと、同誌は指摘した。予算の大幅削減は、「ハードパワー」(軍事力、経済力などを掲げて、相手の行動を変えたり、阻止できる力)と「ソフトパワー」(情報科学や文化・芸術などが行使する影響力)のいずれも弱体化させるためだ。大国の象徴である核戦力も予算不足のため、核潜水艦用先端ミサイル・システムの導入が遅延するなど、核抑止力の維持に苦労している。中国、インドなどの新興経済国が急浮上しており、米国が新たな大国との協力を強化する動きも、英国が現在享受している国際的地位の維持を困難にしている。

ブラウン首相が退き、野党である保守党が政権を獲得しても、墜落する現在の趨勢を覆すことは容易ではない。保守党の側は、最近の議会演説で、「英国が過去のように世界問題に影響力を発揮することは、ますます難しくなっている」と問題の深刻さを認めた。公共政策研究所のイアン・キエラン博士は、「英国は、相対的に富裕で国連安全保障理事会常任理事国だが、沈む国だ」と話した。



esprit@donga.com