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[オピニオン]「安価な観光」

Posted August. 08, 2009 08:04,   

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中国は20年ごろ、年間1億人が海外旅行に行く世界4位の「観光アウトバウンド市場」になる見込みだ。それを証明でもするかのように、中国人らによる韓国への観光はこの10年間、急増した。1995年=2万8000人あまりと、日本や米国、台湾、香港、ロシア、タイ、ドイツ、英国に次ぎ9位だった中国は、00年は19万4000人あまりと、3位に躍り出た。今年上半期も日本や米国に次ぎ、21万7000人あまりの中国人が韓国を訪れ、外国人観光客の26%増加(計272万人)に貢献した。

◆しかし、中国人による韓国観光の増加の勢いが鈍りつつある。中国人らは韓国観光公社が行った調査で、このような不満を打ち明けた。「30万ウォンもの4泊5日のパッケージで来たものの、京畿道議政府(キョンギド・ウィジョンブ)の風俗街の周辺で宿泊させられ、ソウルの夜景は見物すらできなかった。「統一展望台を選択する観光をしないことを理由に、バスから無理やり降ろされた」、「ホテルでの食事の代わりに、外部の飲食店でソルロンタンのような低価格の食べ物だけ食べさせられた」、「ベッドのシートはタバコによってできた穴や染みがひどく、浴室にはタオルすらなかった」、「高麗人参を買うつもりのない人まで、人参専門店に連れて行き、買い物を強いられた」。

◆中国国営の新華社通信が発行する国債先駆報道新聞は、「中国人が最も嫌う隣国」が韓国だというアンケート調査の結果を報じたことがある。韓国観光公社が中国人観光客を相手に行った満足度の調査でも、韓国は、アジア諸国のうちベトナムよりも順位の低い最下位であることが分かった。各旅行会社の出血競争による安価な観光商品による影響が大きいという指摘である。このままいけば、来年まで1200万人の外国人観光客を誘致するというソウル市の野心的な構想は、ふいになる可能性が高い。

◆昨年の韓国人の出国は1332万人あまり、外国人の入国は689万人あまりだった。このような過度な観光逆調現象の改善のためには、中国人観光客らの心をつかむことが、まず重要だ。手ごろな価格の高品質の観光商品を多く開発し、「再び訪れたくなる国」のイメージを構築するのが切に求められる。そのためには、安価で品質の悪い商品から先になくすべきだ。文化体育観光部の政策的な後押しに劣らぬほど、新たに韓国観光公社の社長に任命されたドイツ系韓国人、李チャム氏の責任も重い。

陸貞洙(ユク・ジョンス)論説委員 sooya@donga.com