政府は昨日、先端医療複合団地の候補地として忠清北道(チュンチョンブクド)の五松(オソン)生命科学団地と慶尚北道大邱(キョンサンブクド・テグ)のシンソ革新都市を選定した。二つの候補地には30年まで、施設運営費=1兆8000億ウォン、研究開発費=3兆8000億ウォンの計5兆6000億ウォンの事業費が投入され、全世界の医療市場を狙う新薬開発支援センターや先端医療機器開発支援センター、先端臨床試験センターなどの総合研究団地が建設される。名実共にわが国の医療産業を先導する中心地域となる。
医療産業を含めた生命技術(BT)産業は、情報技術(IT)産業の後を次ぐ未来の新市長エンジン産業といわれている。高齢化や生命工学の発達により、世界の健康・医療市場の規模は、05年の3兆8000億ドル規模から20年は6兆3000億ウォン規模へと急成長するものと見られる。韓国の医療技術や医療機器の優秀性は世界から認められているが、これまではインフラがそれを支えきることができなかった。
先進諸国は、すでに先端医療団地を開発し、多国籍製薬会社と医療機関の誘致に取り組んでいる。米国はヒューストンやボストン、サンディエゴを、日本は神戸を、シンガポールはバイオポリスやメディカルパークのようなところを集中的に開発し、世界の医療市場を先取りしている。韓国はむしろ遅いような気がする。
政府は12年までに、団地造成を完了し、研究開発への支援を続けることで、韓国版「ボストン・バイオクラスター」や「シンガポールのバイオポリス」に育成する計画だ。我々は遅れた分だけさらにスピードを上げなければならない。先端医療複合団地を滞りなく開発し、企業や大学、研究所や医療機関が共に先端医療研究を行う医療産業のハブとして作らなければならない。
保健福祉部は当初、候補地を1ヵ所に絞ると予想されたが、2ヵ所が選ばれた。政治論理によって2ヵ所に分けられたという見方もある。雇用創出など、地域経済に及ぼす影響の大きい先端医療複合団地を巡り、全国9圏域の10地方自治体が激しい誘致合戦を繰り広げた。選定の結果に伴う雑音や後遺症のため、事業が影響を受けることがないよう、政府の賢明な対応が求められる。
先端医療複合団地が成功するためには、総投資金額の約61%を占める民間、すなわち企業や民間病院による投資が活発に行われるべきだ。2ヵ所に投資が分散されれば、どうしても効果は半減し、推進日程は遅れる懸念がある。政府は両団地の役割分担を通して、効率性を高める案をまとめる必要がある。
今回医療複合団地の開設による革新医薬や先端医療機器、そして臨床試験分野が相乗効果を生み出し、我が医療技術の優秀性が立証されれば、医療観光客の誘致にも大きく役立つことになるだろう。